アマゾンが日替わりプログラム Kindle Daily

アマゾンは8月24日、Kindle Daily Dealというマーケティング・プログラムを始めた。24時間限定で毎日1冊を大幅(初日は80%)に割引き、Kindle FacebookやTwitterを通じて宣伝、販売するもので、初日は2006年のベストブック50に選ばれたケイト・ディカミロの名作『エドワード・トゥレーンの不思議な旅』(The Miraculous Journey of Edward Tulane, Candlewick Press, 2006)でスタートした。通常価格$6.99を$1.39 (105円)で販売する。版元のキャンドルウィック社は、マサチューセッツ州サマーヴィルにある創業20年の独立系児童書出版社。

Daily Dealは、この数ヵ月間にアマゾンが出版社と提携して行ってきたBig Dealなどの「価格実験」の実績を生かしたものだ。おそらく、(1)定評ある本を低価格にすれば必ず売れる、(2)低価格で買った消費者は別の本(同じ著者、ジャンル)を買う可能性が強い、(3)印刷本に悪影響を与えない、ということを出版社が十分に納得した上で継続するものと思われる。初日の割引本から読めるのは、刊行から5年を経て貴重な資産となっているタイトル(2010年に映画化も)をキャンペーンによって再活性化させるもので、出版社にとってのブランド・マーケティングという意味がある。Kindle Dailyの告知はTwitter/Facebookを通じて行うが、情報の拡散とその速度は追跡・把握できるので、関連するタイトルへの需要などを探ることもできる。

アマゾンは、出版社にとっての低価格のメリットを、数次にわたる「実験」を通じて納得させることに成功した。「日替わり」キャンペーンの効果は、Amazon Free Daily Android Appでも実証済み。同社がシェアをさらに増やしているのは、マーケティングとサービスにおけるこうした「改善」活動の成果といえるだろう。  (鎌田、08/25/2011)

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