10月3日、オランダに本社を置くウッドウィング社(WoodWing Software)は、InDesignを中心とするアドビシステムズのAdobe Digital Publishing Suite (DPS)と、同社のEnterprise Publishing Systemを統合した付加価値ソリューションを、とくにタブレット出版を目指すユーザーに販売していくことで合意したと発表した。ウッドウィング社の、ワークフロー・ベースの製作システム(Enterprise)とコンテンツ管理システム(Content Station)が、アドビDPSを拡張することになる。
ウッドウィング社(2000年創業)は、2010年初めからタブレット出版ソリューションの開発に力を入れている。同社とアドビが一致するのは、ひとつのソー スから(印刷ページとE-Bookファイル、オーディオブックを含む)複数のコンテンツを製作し、それを(ページから各種デバイスのスクリーンまでの)複数の環境に合わせて出力する複雑なソリューションの構築において相互補完的だからで、今後このような提携は拡大していくと思われる。出版社はITソリューションの市場となりつつある、ということでもある。「ワンソース・マルチ環境」というのは容易ではないテーマで、出版社の開発力、コンテンツ管理能力は出版社の経営に大きな影響を与えることになる。
ウッドウィングは欧州だけでなく、南北アメリカとアジアを含むグローバルに展開しているが、本拠とするオランダは近代出版業の発祥地の一つで、エルセビア社等の世界的出版社もある。 ◆ (10/13/2011)