iPadを射程に捉えたKindle Fire

Kindle Fire (KF)が日曜日(15日)に発売されたが、Cnet.comの11月18日付記事は、第4四半期(4Q11)出荷台数が600万台に達するというアナリストの観測を伝えた。ディスプレイの出荷動向、受注の勢い、消費者の関心という販売を占う3種類の観測がいずれもそれを裏づけているようだ。タブレット市場で圧倒的な存在だったiPad 2は、代替わりもあって900万台の水準に落としている。米国市場だけを見れば、最初の四半期でiPadに迫るものとなる。早ければ来年中にiPadと並ぶか抜くとみてよいだろう。

ディスプレイの出荷動向は、専門調査会社のDisplaySearchのアナリスト、リチャード・シム氏によるもので、当初の発注は400万台であったものが、予約開始後に500万台に引き上げられ、ホリデーシーズン(年末年始商戦)入りを前に600万台となったものだ。KFの予想を上回る勢いに呑まれたメーカーも少なくない。アスースやデル、エイサーは、早くもAndroidタブレットからの撤退を決めたという噂も出ている(アスースとデルは否定)。アップルはiPad 2の今期出荷を1,100万台から900万台に減らし、1Q12でiPad 3をリリースするもよう。これは2048×1536画素のパネルを搭載するとされるが、1,000万台水準での供給は困難と見られる。そして同じく1Q12にはアマゾンも10インチ版Kindleを出すと言われている。

4Q11のKFがすべて米国市場向けであり、iPadが世界市場向けであることを考えると、米国市場では早くもアマゾンが同水準に達すると考えることが出来る。これらから判断すると、来年Kindle Fire (2タイプ)は年間3,000~5,000万台の水準となり、おそらくは4,000万台を超えないiPadと並ぶ可能性が強い。KFとiPadは性格がかなり異なり、KFはメディア消費専用デバイス、iPadはPCの代替になる汎用タブレットだ。しかしコンテンツ、小売産業の大半にとっては「数」だけが問題だ。KFは文句なしに重要なプラットフォームとなる。iPadはプレミア商品として別格の人気を維持するとしても、マスプロダクトとしてのKFの優位は動かないと思われる。  (11/22/2011)

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