英訳俳句集がE-Bookアプリに新境地を拓く

拡張E-Bookコンテンツを開発・出版する、米国ロサンゼルスのハニービー・ラボ(Honeybee Labs, Inc)は12月15日、150の英訳俳句と詩情溢れる絵とサウンドトラックを組合せた対話型句集 "Chasing Fireflies"(蛍を追いかけて)をiTunesにリリースした($3.99)。拡張E-Bookの市場は、まだ絵本など児童向けコンテンツが圧倒的だが、文学、科学、社会に関する分野でも先駆的な“作品”が登場しつつある。Publishers Weekly (12/22)が注目するハニービーもその一つだ。エリオットの『荒地』に続く話題作となることに期待。

自らも製作にあたったハニービー・ラボのライアン・モジェスキCEOは、次のように語っている。「私たちの仕事は、傑作短詩のいくつかを集めて、拡張することでした。俳句には季語というキーワードが埋め込まれていて、詩が持っている季節感を呼び起こすということを習ったのを思い出したので、そのアイデアに沿って展開するようにしたのです。パブリック・ドメインとなっている訳詩から、私の心に響き、普遍的な力を持っていて、あらゆる感情を内包する傑作を選び出しました。それから詩と季語をもとに季節の情景とマッチさせたのです。」

『蛍を追いかけて』は、詩の持つイメージを拡張することをコンセプトに製作された。木の葉は木々の上でそよぎ、家には陽がさしかかる。目次は輪の形で示され、巡り来る季節のように、この本には始まりも終わりもないことを示している。ユーザーはタブレットを回すことで同じ景色を別の視点(方角)から見ることが出来る。

原作は、一茶や芭蕉、子規など、われわれにもなじみ深い作品。ミニマリストのサウンドや風景画は、違和感なく入ってくる。製作者はゲームのバックグラウンドを持っているようだが、不自然さは感じられない。ぜひ日本語原文を素敵なフォントで入れてほしい。(12/28/2011)

追記:

本記事についてハニービー社に知らせたところ、俳句愛好家のモジェスキCEOから返事をいただいた。多国語への拡張は次のテーマだそうで、日本語の縦組にも挑戦したいとのこと。EPUB3で解決が早まることを期待したい。(鎌田、2011-12-29)

[youtube -DUEuPmy7CE]

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