対話型3次元ロンドン歴史地図サイトが開設

教育と研究開発へのITの応用・普及のために英国政府が設置した専門家委員会であるJISCは、このほどロンドンの歴史を様々な角度から知ることが出来る「対話型3次元歴史地図」サイトを開設したことを発表した。犯罪と刑罰、富の分布、商品などに関する人文・社会科学系の実証研究の最新の成果を反映したもので、貴重な図版や新しい対話型ピクトグラフを駆使し、かつてない精度で描かれているという。

"Locating London’s Past"というこのプロジェクトは、シェフィールド大学、ハートフォードシャー大学、およびロンドン大学が共同で開発に当たっていたもの。たんなる素材やコンテンツの整理と公開だけでなく、研究・著述活動の支援も意図していることで、拡張性を前提としたインタフェースにより、新しい資料やデータ、新規作成の地図が追加できる点が画期的といえる。各大学ではこれを使ったプロジェクトが検討されている。例えば、徴税と人口統計などの各種データを、ジョン・ロックの1746年ロンドン地図の上にプロットし、ロンドン考古博物館(MOLA)が作成した正確な座標を使ってGoogle Mapで見る現在の地図に重ねることも可能となっている。研究の生産性は格段に向上し、新たな発見も期待できる。

ハートフォードシャー大学のヒッチコック教授は、このプロジェクトは、ロンドンという最初の世界都市を理解するための第3の次元を新たに提供したと述べ、貧困と犯罪、疾病、暴動との関係などを容易に知ることが出来る「地図」の意義を強調している。都市社会史の実証研究では、伝統的にパリが有名だが、ロンドンはこの3次元地図で追いつき追い抜くかもしれない。この地図のアーキテクチャは、各地で応用・発展が進むだろう。考古学、歴史学は新しい道具を手にした。 (12/15/2011)

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