1月11日、アマゾンはKindle Fireに最適化したコンテンツ作成のための新しいツール(KindkeGenおよびPreviewer)とKindle Format 8 (KF8)の入稿仕様(Guideline)を発表した。ツールはWindows版(XP/Vista/7)とMac版(OSX 10.5+)に対応する。ソース・フォーマットはHTML、XHTML、EPUBをサポートし、KF8とMobiフォーマットの両方に対応するファイルを生成する。
EPUBとは不即不離の関係を維持
アマゾンは、EPUB仕様と市場の成長に対応し、2010年秋からKindleコンテンツ開発ツールであるKindleGenでEPUBファイルのAZWへの変換を実現していた。現在、欧米の多くの出版社はEPUBでコンテンツを作成し、それをAZWに変換して入稿しているので、それを容易かつ確実にしたわけだ。1年後に投入したタブレットKindle Fireは、動的コンテンツを扱えるようにしたもので、一部にはここでEPUB3に移行するのではないかという観測もあったが、そうはせずに独自フォーマットを継続することにした。しかし、EPUB3との距離は、慎重に調整しているようで、EPUB3データはそのままでは実行しないものの、変換は自動的かつ精確に行われるようにしているものとみられる。
HTML5とCSS3を導入したKindleの新しいデータ・フォーマットKindle Format 8 (KF8)は昨年秋に概要が発表され、12月にはベータ版が出ていた。Kindle Fireはこのフォーマットを読めるようになっている。これはまったく新しいものではなく、旧フォーマット(Mobi)を拡張し、実質的にはEPUBからの変換をスムーズに行えるようにしたもの、という評価がなされていた。しかし、SVGはあるが音声や動画のタグ、キャンバスを含む重要なHTML5タグが入っていない。つまりEPUB2までには対応しても、EPUB3には対応していない。 ◆ (01/13/2012)