アート系自主出版でニッチを築いたBlurb

アート系に強い米国の自主出版支援サービスBlurb(サンフランシスコ)は3月14日、2011年の出版実績を発表し、同時に主要な数字も公表した。それによると、Set Your Priceというサービスを通じて約10万点の印刷本とE-Bookを販売し、100万ドルあまりの収益を著者に還元した。週平均ダウンロード数は約2,000。Blurbの顧客である著者は、2011年に44%増加。同社は180万冊を69ヵ国の読者に販売した。

2005年創業のBlurbは、数ある自主出版ビジネスの中でもユニークな部類に属する。アート、写真、旅行、家族など、グラフィックなものを得意とし、芸術家のコミュニティと密接な関係を保っている。また印刷・製本のオプションも豊富で、ハードカバー、ソフトカバーの「書店品質」の4色印刷本も製作し、価格設定を著者に委ねている。BookSmartという製作アプリを無償で提供している。売上の一部をシェアするタイプの一般的なサービス・モデルは採らず、基本的にはサービス料金だけで売上には関与しない。E-Bookを安くして紙を高めにするといった設定も自由だ。

印刷本は部数も少ないから概して値段は安くない。表紙や本文レイアウトのスタイルは豊富で、センスが良く、いわゆる自主出版という素人臭さはなく、「限定出版」というクォリティを感じさせるものに仕上がっている。200部以上の発注単位でも最大3日で発送とかなり高速。Blurbはフィクション系、デジタル系が中心の自主出版ではないニッチを志向し、成功したと言えるだろう。

ジャンルは多岐にわたるものの、「芸術・写真」が最も多く4万点を超える。プロとアマチュア写真家による日本の写真集だけで数百点もあり、質量ともに「自主出版」というものの文化的価値を実証している。  (03/22/2012)

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