アマゾンは、Kindle Touchのソフトウェアを5.1.0に更新し発表した。Wi-Fiを通じてマニュアルでも更新できるが、同社による自動更新は数週間かけて行われる。今回は言語仕様の拡張や、外部のWebサービス(Bing Translator)を使ったインスタント翻訳など、いくつかの重要な機能を追加したほか、初めてEPUBとの共通性が大きいKindle Format 8 (KF-8)をサポートしたことも注目される。5.1.0での主な新機能は以下の通り。
- 言語サポート:英語(英、米)、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語(伯、葡)から基本言語の設定をカスタマイズできる。
- 横長モードのサポート:書籍、PDFで地図、グラフ、表を見る場合の表示の切替
- インスタント翻訳:マイクロソフトのBing Translatorを使い、語句や文章をハイライトして別の言語に翻訳表示する機能。
- Kindle Format 8:フォーマットとレイアウトの改善。
- Wi-Fiの拡張:WPSを使いWPA2 Enterpriseネットワークにアクセス可能。
- 音声読み上げ機能:英語コンテンツの読み上げに新聞、雑誌などの要約を含む(出版社が提供)。共有オプション:リンクをタップするだけで、FacebookまたはTwitterを通じて自分が読んでいる箇所とコメントを共有することが出来る。
- オンスクリーンのキー入力候補表示:タイプの途中で候補語句を表示
上記のうち、とくに注目されるのは、インスタント翻訳機能のサポートだろう。マイクロソフトのBing Translatorは38の言語をサポートしているが、Kindle Touchの言語仕様の関係で、利用できるのは16(中国語簡体字、中国語繁体字、デンマーク語、オランダ語、英語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、イタリア語、日本語、韓国語、ノルウェー語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語)。しかし、英語中心ではなく、任意の二ヵ国語間で翻訳されるのは気持ちがいい。こうしたサービスをタダで使えるようにするところにWebの意味がある。
使い方は、まず語句またはセンテンスをハイライトする。最大選択範囲は表示ページだが、表示サイズを変えれば次のページまで広げることが出来る。ダイアログ・ボックスでMoreを選択して、Wikipediaなどと並んで表示されるTranslationを選択すると翻訳先言語のリストが表示される。翻訳には数秒を要する。
インスタント翻訳は良くも悪くもインスタントの機械翻訳だ。誤解を生じることも多々あるが、癖を飲み込んでしまえば使い方によって有用だ。また、日本語、中国語など、英語から見て難易度の高い言語を避け、仏→英、西→英などに限定して使えば、それなりに役に立つ。 ◆ (04/19/2012)