シュプリンガー系列のSpringer Science+Business Media (SSBM)は4月18日、ヨーロッパ数学会(European Mathematical Society)の協力により昨年11月からWikiベースのオープンソース・コンテンツとして提供している数学百科事典(The Encyclopedia of Mathematics, EoM)へのビジターが50万を超えたと発表した。EoMは2002年以来、購読ベースで提供されており、約8,000項目、5万あまりの数学概念を網羅している。オープン化を機に、ユーザーによるオンライン投稿、編集・審査の体制も整備された。
専門分野間のコミュニケーションと協力を促進するために、学術用語事典ではクリエイティブ・コモンズ(CC)のライセンスを利用したオープン化の傾向が顕著になっているが、EoMのオープン化はその方向を決定づけるものとなろう。数学記号の使用が必須であることから、サイトはJavaScriptのMathJaxで拡張したMediaWikiを使用している。MathJaxはTEXとLATEXをサポートしていたが、つい先月(3/20)MathMLもサポートできるようになった。
EoMの原著作権は引続きシュプリンガー社が保有するが、 encyclopediaofmath.orgを通じて追加された新規項目や、原記事への補足記事はCCのシェア・アライク・ライセンスでの無償使用が認められる。またすべての記事の科学的正確性について、EMSが責任を負うことになっている。◆ (04/19/2012)