AutoDeskがiPad向けペイント・アプリを超廉価で

CADソフトウェアで有名なAutoDeskは、iPad用ペイント・アプリSketchBook Inkを発売した。これまで、数々のプロ用アプリケーションを出してきた同社の新製品は、PC世代のペイント・プログラムのイメージを一新した、タブレット・ペインターの時代を告げるもので、しかも5ドル(キャンペーン期間は2ドル)と衝撃的なほど安い。本格的なタブレット・アプリが続けば、PC用製品のサバイバルにも影響が出てくるだろう。実用アプリの対応の遅さから停滞しているPC代替が、クリエイティブ分野から進むことになりそうだ。

SketchBook Inkは、プロのイラストレーターのニーズにも対応するもので、ブランク画面から描くだけでなく、iPadのカメラで撮影した画像を使うこともできる。カラーや絵筆の種類も豊富だ。子供のお絵描きにも使えるほどの価格だが、プロ用の機能を持っているので、E-BookやWebコンテンツの制作にかなり使われると思われる。もちろん言語に依存しないので日本人でも使える。

アップルはiPadこそPCに代るものだということを強調している。たしかに、タブレットが最適領域は「メディア」から「クリエイティブ」に拡大しつつあり、かなりの分野でPC代替が進むことは間違いないのだが、PCはハードだけではないエコシステムなので、メーカーだけで転換が進むわけではない。PC向けアプリケーションは、数千円(一般向け)からほぼ数十万円(業務用)までで安定しており、Webサービスが登場しても、オフラインで使えるメリットは確実にあるから、ブート型アプリケーションは消えない。他方でiPadのほうは、アップルが導入した超低価格アプリの世界となっており、かなりの数が出ないことには回収が困難だ。そうしたことから、エンタメ系に比べて遅れている実用系アプリが待たれていたのだが、SketchBook Inkはその意味で画期的な製品と言える。 (鎌田、05/31/2012)

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