HBGが近刊本の一部公開用Facebookアプリ

アシェット・ブック・グループ(HBG)は、Facebookを使って近刊本の中の一部の章をまるごと著者、出版社と共有することが出来るアプリThe ChapterShareをリリースし、10/11月に刊行予定のジェームズ・パターソンの作品("NYPD Red")とマイケル・コナリーの作品("The Black Box")のプロモーションを始めた。一部を読んで気に入れば、友人と共有したり、Facebookの中から予約することが出来る。SNSのバイラル効果を販促につなげようとする仕掛けだ。Facebookユーザーは“Like”ボタンでアクセスできる。

HBGのケン・マイケルズCOOは、開発の背景について次のように述べている。「出版は伝統的なB2BビジネスからB2Cビジネスに移行しつつありますが、ChapterShareのようなアプリは消費者と直結することが出来ます。著者や読者とより身近な存在となるためには、出版社はアプリケーション開発者にならなければなりません。弊社は著者のためにFacebookの潜在的な可能性を引き出し、弊社独自の出版能力とシステムを結びつけるアプリを必要としていました。」

書籍の販売は発売日とともにピークがきて長くは続かないのが通例だ。だから、発売までのプリ・マーケティングと予約獲得が重要となる。アクティブな期間を延ばすには、話題を持続させねばならないが、従来は膨大な販促費用をかけるほかなかった。SNSを使うのは、費用をかけずに話題を広げるためだが、それは発売前に内容(の少なくとも一部)を開示するのがベストであることは言うまでもない。この方法はオライリー社が技術者向けのタイトルで確立しており、草稿段階から公開し、読者と対話しながら完成するという方法が採られることもある。ちなみに日本の出版社は、伝統的に新刊情報を書店に流す時期をギリギリまで遅らせる習慣を持っており、書店での販促・販売をさらに難しくしている。他社の模倣を避けるためだが、もはや害のほうが大きくなっている。HBGのアプリは、発想を転換させるために効果的だろう。  (鎌田、05/24/2012)

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