Inklingが対話型教科書出版でフォレット社と提携

Apple iBookAuthor (iBA)が不自由なビジネスモデルのせいで潜在力を発揮できずにいるなかで、同じくiPadを主要なターゲットとするInklingのマルチメディア・プラットフォーム Habitatは着々と教科書出版社の支持を固めている。5月16日には、フォレット社(Follett Higher Education Group)との間で、そのサイト(efollett.com)のほか、900のカレッジ・ストアへの配信について合意した(Publishers Weekly, 5/16)。アップルのスピンオフであるマット・マッキニスCEOの会社は、出版事業で本体よりも成功している。

前進するInklingの教育出版エコシステム

フォレット社は約35,000点のタイトルを保有するが、Inklingはこの中から順次マルチメディア・コンテンツを開発・提供していく。フォーマットはHTML5でブラウザ・ベースなので、デバイスを選ばずに利用でき、出版社は将来ともにフォーマットを気にする必要はない。Inklingはインドの企業と提携してコンテンツ開発受託を行っており、出版社は慣れない環境を使う必要はない。オーサリング環境は開発現場とのやりとりによって進化していくものなので、この仕組みはHabitatの進化を保証していることにもなる。

Inklingはこれまで最大手のピアソン、マグロウヒルなどと契約し、Habitatを使った対話型コンテンツの開発・提供を進めている。学生の経済的負担が軽くなるように、タイトルの中に無料で読める章を設定し、3章分を格安で提供する“Pick 3”というオプションも好評だ。

出版社がHabitatを歓迎するのは、AVコンテンツはもちろん、3Dアニメーション・モデルや自己診断型クイズ、ソーシャルネットワーキング機能など、今日の教育環境に要求される個別学習とグループ学習環境をサポートしながら、特定のプラットフォームにロックインされることのない自由を提供している点だ。これは出版社がiBAを敬遠する理由ともなっている。iBAとHabitatは機能的にかなり拮抗するものだと思うが、Inklingはビジネスモデル/エコシステムという点で、古典的なOS/アプリ・モデルの枠組みを超えられない巨大企業のアップルよりコンテンツ/サービス・ビジネスには適合性が高い。 (鎌田、05/24/2012)

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