高速で米国に追いついた英国E-Book市場

書籍市場の専門調査会社バウカー社(Bowker Market Research)は5月14日、英国消費者を対象とした調査に基づく報告書(Understanding the Digital Consumer 2011/2012)を刊行した(→リリース)。デジタル・リーディングの普及で、英国は2年ほど米国市場から遅れていると言われていたが、最近では年300%以上の成長で差を縮め、ほぼ並ぶところまできた。タブレットを読書に使う人は1年前の調査の倍になったが、なお12%あまりで、Kindleが圧倒している。しかし、子供はそうでもないようだ。

この調査は、2010年10月以来の年間動向をフォローした2010/2011年版に続くもので、16歳以上の英国人3,000人を対象にオンラインで調査し、結果は、性、年齢、社会階層、地域が人口構成を反映するように調整されている。調査は11年11月と12年3月の2度にわたって行われた。子供のデジタル読書についても調査されている。低年齢層でタブレット読書が普及しており、カラー/グラフィック表示に慣れた彼らが、専用E-Readerに進まずに、そのままタブレットを使い続ける可能性が指摘されている。成人ではKindleデバイスの選好はかなり強く、40%あまりはもっぱらKindleを使って読んでいる。

2011年2月から1年余りの間にE-Bookを購入したことがある英国人は、それ以前の3倍に達し、31%は半年以内に購入するつもりであると答えている。年齢別では、35歳以下がやや多いものの、市場の急成長はもっぱら中年層以上(とくに45-54歳)の増加によるもので、半年以内にE-Bookを買ったと答えたのは昨年11月の17%から、今年3月には25%に増加した。

こうした傾向は米国とほぼ共通しており、英国市場が急速に米国との差を詰めていることを示している。実際、この1年のデバイスの低価格化とコンテンツ流通環境の整備は著しく、後発市場でも短期間に米国並みになったとしても何ら不思議ではない。英国市場が立ち上がったのは主に流通環境が米国並みになったことによる。書店業界が強い大陸ヨーロッパはまだ未整備だ。英国の出版業界は、輸出により多くの収入を得ているが、国内デジタル市場の急成長を背景に、そのまま世界市場への攻勢を強めていくと思われる。  (鎌田、05/16/2012)

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