ニューヨークで開催されたPublishers Launchカンファレンスで、出版市場調査のバウカー社のケリー・ギャラハー副社長が各国のE-Book市場の動向について、最新データに基づく報告を行った。米国のE-Bookユーザーはさらに拡大を続け、人口の4分の1あまりに達した。他の国が米国のトレンドを追う展開だが、欧米の出版社はとくに成長市場としてインドとブラジルに注目しているという。普及率はまだ人口比で2%と7%に過ぎないが、巨大な人口と成長する経済、英語出版物への需要という点で、他にはない魅力がある。日本の普及は800万人ほどとされている。(写真右はインドInfibeam社のPi2リーダ)
バウカー社によれば、2月のインドのE-Book購入者は2,500万人、ブラジルでは1,500万人に達し、それぞれ世界第2位と第3位の市場となった。米国は6,000万人近いが、遠からずインドが抜いても不思議ではない。インドが急上昇しているのは、知識欲旺盛でビジネスに英語を常用する中産階級の成長、オンライン決済手段の普及、在来型書店の不足などが背景にある。インドの出版市場は年率30%で成長を続けており、今後3年間は同じペースが続くと予想されているので、3年で2倍になる。英語書籍市場としても世界第3位だ。この成長市場をターゲットとして、ハーパーコリンズやペンギンなどが進出している。 ◆ (06/07/2012)