米国の5大出版社が共同運用するNetflixタイプの雑誌定期購読サービスを提供するスタートアップ企業のNext Issue Media (NIM)は7月10日、Android版に続きiPadアプリの提供を開始した。月間$9.99の基本料金でEsquire、Wiredなど39の有名月刊(および隔週)誌が、$14.99のプレミア会員はThe New Yorker、People、Sports Illustratedなどの週刊誌が読める。1ヵ月間は試読期間で無料で読める。1号売りも$1.99~$5.99で提供される。
クロスメディアのデジタル・ニューススタンドを目指すNIMは、2009年、コンデナスト(12)、ハースト(4)、メレディス(3)、ニューズ・コープ、タイム(20)の5社が共同で設立し、カリフォルニア州パロアルトとニューヨークに本拠を置く(カッコ内の数字は提携誌の数)。NIMが提供するのは各誌の電子版で、ビデオ、ボーナスフォト、対話機能、ライブリンクその他の機能を備えている。当面はタブレットだけだが、それに限定はしておらず、他のデバイス向けアプリも開発している。雑誌の電子版は各社が独自でも提供しているが、すでにいずれかの雑誌を定期購読している読者は、無料ないし「わずかな」料金でアプリを利用できる。
3年前に設立されていたものの、Next Issueの立ち上がりは遅かった。共通インタフェースなどの技術的問題、アップルとの契約などのためだ。米国の電子雑誌は市場は昨年後半から立ち上がったが、Androidに続いてiPad版が出たことで、ようやく数千万人規模の市場へのアクセスを得ることになった。NIMではさらにタイトルを拡大し、5社以外からのコンテンツも受け容れるほか、海外展開や広告機能などの拡張を計画している。◆ (07/12/2012)