ケータイからの切替えが難航するコンテンツ市場

インプレスR&Dインターネットメディア総合研究所は7月3日、電子書籍の動向と市場規模の推計をまとめた『電子書籍ビジネス調査報告書2012』を発表した。レポートでは、2011年度の市場規模を前年の650億円から-3.2%の629億円と推計(小売金額)。ガラケー市場からスマートフォンへの切替がうまくいっていないことを示した。しかし、新プラットフォーム向け市場は3倍増の112億円と推計している。しかし、5年後の2016年には2,000億円と楽観的な見通しを変えていない。

本誌のスタンスとして、この市場では予測にあまり意味はないと考えている。E-Bookはこれからのプロダクト/サービスで、鉄鋼でも自動車でもない。やはり今年(去年)の注目点は、これまでニッチビジネスを構成していたケータイ・コンテンツ市場が崩壊を始める一方、スマートフォンへの移行は必ずしもうまくいっておらず、欧米で主流となっているE-Readerやタブレットでの市場拡大が容易ではないということだろう。スマートフォンに頼っているようでは、500億規模も難しい。ケータイはマンガとアダルトを有料コンテンツとして成立させるには、じつに理想的なプラットフォームだった。多くの辞書・辞典類をプリロードした「電子辞書」がそうだったように。しかし、インターネット・パラダイムではまだ遅い。遅れの原因はネットでもデバイスでも、あるいはコンテンツのタイトル数でもない。それはマーケティング・テクノロジーの問題だ。これをクリアしないと、とても2,000億円はいかない。(鎌田、07/05/2012)

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