アマゾン出版NYがイングラムを通じてE-Book配信

秋に最初の刊行物を出版するアマゾン出版のニューヨーク本社が、E-Bookの流通に関してイングラム社と契約したことをpaidContentが報じた(L.H. Owen,08/29)。これにより、ライバルであるB&N、アップル、Koboでもアマゾンのコンテンツを販売する道が開かれた。アマゾン出版は当初Kindle専用とする方針だったが、書店が印刷版の扱いを拒否する姿勢を示したことで方向を転換したもの。これでまったく「ふつうの出版社」になったわけだが、書店側が態度を変えるかどうかは不明。

アマゾンは西(シアトル)と東(ニューヨーク)に2つの出版ブランドを持っており、前者はSFやミステリなどのジャンルもの、後者はオーソドックスな成年向け出版を扱う。今回のイングラム社との契約には西のコンテンツは含まれていない。今秋発売のアマゾンNYのタイトルは、Timothy Ferrissの 'The 4-Hour Chef'、Penny Marshallの 'My Mother Was Nuts'、Jessica Valentiの 'Why Have Kids?' の3作を含む。

アマゾン出版がE-BookのみをKindle独占としたのは、アマゾンに対する業界の反撥を強めただけでなく、書店を重視する著者の失望を買った。北米の有力書店チェーンの“アマゾン・ボイコット”は褒められたものではないが、市場で優位にあるアマゾンが「Kindle独占」としたのがそもそも出版の社会性を否定する愚かな行為だったので、こうした低次元の応酬が始まったのも当然だった。アマゾンは反省を表明することなく、当初の方針を撤回したことになる。ともかく事態が正常化されたことは結構なことだが、何もコメントがないのは将来に不安を残している。  (08/30/2012)

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