E-Bookエコシステムにおけるスマートフォン

米国のオンライン・パブリッシャーズ・アソシエーション(OPA) は8月22日、スマートフォン・ユーザーのコンテンツ消費に関する最新の調査結果を発表した(→PDF)。それによれば、このデバイスのユーザーが様々な意味でクロス・プラットフォームであるという。アプリの消費はかなり旺盛だが、コンテンツ購入は4人に1人ほど。台数が巨大なので、多いとも少ないともいえない。E-Book市場におけるスマートフォンの位置づけは、コンテンツのタイプ別、利用モード別のデバイス利用に関するより構造的な調査が必要だ。

OPAのレポートによれば、スマートフォン・ユーザーは、以下のような特徴を持っている。

  • 複数の画面付デバイスを使いこなす傾向があり、84%は2画面(TV+電話/タブレット)、64%が3画面(TV、PC、電話/タブレット)を使っている。
  • 複数のモバイル・デバイスを保有するユーザーの54%が、少なくとも一つ以上の活動でノートやタブレットより気に入っている。
  • スマートフォン・コンテンツのユーザーの96%が過去1年間にアプリをダウンロードした経験があり、平均は36本。有償のものは14%。
  • ユーザーの24%はスマートフォンで見るためのコンテンツを購入しており、購入者の22%はビデオ、21%は娯楽アプリ、21%はE-Book、19%は気象コンテンツだった。
  • Androidデバイスのシェアは46%に達して35%のiPhoneをリードしているが、これらが拡大を続けているのに対してBlackberryとその他の合計は急速に減らした。

E-Readerやタブレットの普及が米国ほどではない日本では、スマートフォンがコンテンツ消費の中心である。これではマンガと文庫・新書以外には広がらない。他方で米国のE-Book市場におけるスマートフォンの位置づけは、いま一つ明確でない。コンテンツの消費は、(1)情報の入手、(2)購入、(3)読む、という3つの段階から成る。ユーザーは必ずしもこの3つを同じデバイス上で完結させているわけではなく、またいつも同じデバイスで読んでいるわけではない。例えば、情報を得るのはスマートフォンやPCであるケースが多く、ものによってはそのまま購入するケースも少なくないだろう。マルチデバイス時代の消費者の読書行動を捕捉するには、構造化されたモデルに基づく調査が必要だ。おそらく最強のクラウド・プラットフォームを持つアマゾンは詳細な利用パターンを追跡している。 (鎌田、08/23/2012)

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