絶版本復刊ファンディングUnglue.it が第1冊刊行

5月にスタートしたE-Book復刊のための版権取得ファンディング・プラットフォームである Unglue.it は9月12日、最初のプロジェクトとなる書籍をクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY)の下に刊行した(→リリース)。第1冊目は文化人類学者ルース・フィネガン教授の古典的労作 Oral Literature in Africa(アフリカの口承文芸、1970年初版)の電子版で、英国のOpen Book Publishersが編集・制作担当した。Unglue.itでダウンロード可能なほか、間もなく各E-Bookストアや図書館から自由にダウンロードできるようになる。

Unglue.itは、すでに出版された優れた刊行物を対象にウィッシュ・リストを作り、オープンソース化のための基金を募る。目標に達すれば著作権者に希望する金額を支払ってCCライセンスで公開するもの。すでに絶版となり入手困難な『アフリカの口承文学』の場合は、とくにアフリカ系の学生に、失われつつある方言で書かれた祖先の豊かな文学的世界に接する機会を与え、現代のアフリカ系文学者の作品との関連などについて研究を深められる点が評価された。291人の出資者によって$7,500を調達することで成立したが、デジタル版の制作ではフィネガン教授が集めた貴重な写真や録音も収録されている。Unglue.itのサイトを見ると、さほど意義も感じられない候補が少なくないが、本書は文句なく出版の社会的意義を納得できるものだ。

ところで、アマゾンは先月、この Unglue.it の運営会社Gluejarに対する決済サービス (Amazon Payments)の提供を打ち切った。CCライセンス推進、アンチDRMの Unglue.it の姿勢が、同社の経営方針と一致しなかったためとしている。なお日本では復刊ドットコムが絶版本の復刊を事業化している。  (09/13/2012)

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