「子供より親」のアマゾン定額サービス

アマゾンは12月5日、3~8歳の児童を対象とした購読型サービスモデル、Kindle Free Time Unlimited (KFTU)を発表した。書籍だけでなく、ゲーム、映画、TV番組、教育アプリも対象としており、Prime会員には、子供一人分の無制限アクセスで月2.99ドル、家族では6.99ドルで提供。非Prime会員には$4.99/$9.99で提供される。このプログラムには、ディズニーやDCコミックス、ホートン・ミフリンなど多数の有名出版社が参加している。なおターゲット・デバイスはKindle Fireシリーズのみ。

巧みな価格設定でPrimeに誘導

アマゾンは、専用のFree Timeアプリを通じて提供されるこのサービスが、子供が消費するアプリとその使用状況をモニターする理想的なオプションだと強調している。保護者は年齢や性別によって、自分の子供が使えるアプリの範囲、優先度などを指定することができる。子供にその後の「図書室」づくりの選択を任せるかどうかも選べる。つまり、タブレットの子供への浸透が急速に進む中での「保護者の安心が第一」に設計されているわけだ。

ニールセン社の調査によると、12歳以下の子を持つタブレット所有者の70%あまりが、子供たちがゲームや学習、娯楽にタブレットを使うことを認めているという。また子供の半数はTV番組や映画を観ているというから、次にはその内容がと使い方が大きな問題になることは必至だ。目の玉が飛び出るような請求書、仰天するようなコンテンツ…。KFTUは両親のアシスタントとして子供のタブレット利用を監督し、指導する。わずか数ドルだが、フォレスター社のアナリスト、ジェームズ・マッキヴェイ氏は、価格設定の巧妙さに目を向けている。二人以上の子供がいればPrime会員のメリットは特に大きくなるからだ。つまりこれは両親をPrime会員に誘導し、なるべく多くをアマゾンで買ってもらうための入り口である。

子供向けコンテンツ・ストアでは、すでにB&N NookやアップルiTunes、Netflixなどが先行し、活況を示しているのだが、アマゾンのアプローチは独特だ。簡単に言えば、(1)子供ではなく親とファミリー、(2)ユーザー体験より管理者体験、(3)コンテンツではなくすべて、といったあたりだろうか。とくに(2)では、プライバシーに敏感な親のために、広告やSNSへの接触を禁止したりすることもできる。逆に保護者の代理として働くアマゾンのアプリにはデータが集まる。それをどのように使うか使わないかは、明らかになっていない。(鎌田、12/13/2012)

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