iSuppliがE-Readerに“死亡宣告”

調査会社のIHS iSuppliは12月12日、急成長を続けてきた専用E-Readerが今年に入って失速し、昨年の2,320万台から一気に36%減の1,490万台に落ち込んだと発表した(→リリース)。さらに来年には1,090万台、2016年には710万台を予測しており、事実上このカテゴリーが消滅すると述べているに等しい。このように閃光のように登場し、消えていくことは前代未聞、ともレポートは述べている。同社はデジカメやGPS、MP3プレーヤーなどの単機能デバイスも同様に消滅すると予言している。

タブレットが何億台になろうと、専用リーダは最も重要な読書ツールである

IHSのレポートは、まだ専用E-Readerの可能性がある市場として、東欧とロシア、アフリカとインドなど電力供給が不安定な地域を挙げている。2012に1億2,000に達したタブレット市場は、2016年に3億4,000万台と予測されており、理論的には読書用デバイスの用途をカバーしても不思議ではない。Kindleの最新E-Inkリーダの推定部品原価は84ドルで、Nexus 7の$153より遥かに安くつくれるから、価格と電力事情だけがこの数年のLDC需要を満たす、と考えるのも理由がないわけではない。最近売り出されたTxtrの激安E-Readerも、周辺的な需要にこたえるものでしかない、と同社は考えている。

本誌は「専用E-Reader=白黒テレビ説」に対して何度かコメントしているが、今年の数字だけでE-Inkリーダの消滅を予測するのは、軽薄であると考えている。IHSはたんに出荷統計からの外挿でものを言っているに過ぎない。現に存在する市場、用途と可能性、ユーザーとライフスタイル、サービス、ビジネスモデルについてみているわけでもない。そもそもiPadの登場時点で、多くのデバイス屋はE-Ink版のKindleが呑み込まれることを予想した。iPhoneによってMP3やデジカメに死亡宣告を下したように。現実には、Kindle Paperwhiteは(供給上の問題はあるにしても)すぐには手に入らないということだ。 (鎌田、12/13/2012)

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