TV視聴率調査で知られるニールセン社は12月17日、TV番組に関するTwitterの会話を解析した反響評価指標「ニールセンTwitter TV視聴率」(“Nielsen Twitter TV Rating”)のを発表し、Twitterの協力のもとに、2013年の新シーズンから導入すると発表した。タブレットやスマートフォンでストリーミングを視る時代に、わずかな「典型的」視聴者世帯のTV受像機を対象としたサンプル調査で番組の命運を左右する「視聴率」を決めてきたやり方は、そろそろ過去のものとなりそうだ。
このサービスは、最近ニールセン社が買収したSocialGuideの技術を使い、234チャンネルの約36,000の番組に関するTwitterメッセージを記録・解析する。既存の視聴率調査に置き換わるものではなく、補完するものとされる。とはいえ、これはニールセンが初めて「第2のスクリーン」と呼ばれるタブレットやラップトップで番組を視てSNSで感想を語るというもう一つの視聴スタイルを認知したことでもある。いずれは関係が変わり、受像機調査の時代が終わるのだろう。
ニールセンの発表文では、その先見性を自賛しているが、方法については「高度な分類プロセス」と言うだけで、発信者のプロファイル(性別、年齢+)をどうやって割り出すのかなど詳細が明らかにされていない。GigaOMは、受像機の場合と同様、公表できない “hocus-pocus”(ちちんぷいぷい)を伴うとみている。ニールセンのBookScanは本の販売統計を一変させたが、それは他社に真似のできないスケールと網羅性による。TV視聴率のようなブラックボックスで通用するのかは定かでない。◆ (鎌田、12/18/2012)