ピアソン+B&N Nookの資本提携が語る未来

B&Nは12月28日、E-Book子会社の Nook Media (NM)が、世界最大の教育出版社である英国ピアソン社から8,950万ドル(約76億円、約5%)の出資を受けると発表した(→リリース)。別にワラント債も5%相当ある。世界的な出版大手と(E-Book)流通との結びつきは初めてのことで、21世紀の業界再編につながるものとして注目される。B&Nは同時に冬休み商戦が期待を下回った結果、2013会計年度の予想を下回ることを明らかにした。

NMは昨年マイクロソフトの出資を受けて本体から分離したもの。ピアソンは第3位の株主となるが、これでMSは16.8%、B&Nは78.2%を持つことになる。ピアソンは普通株5%のほか、新会社の評価額を17億8,900万ドルと算定して、別の5%をワラント債(新株予約権付社債)で条件付で引受けることを決めた。NMはピアソン社の教育コンテンツの配信を開始する。両社の首脳によれば、この資本提携は、コンテンツとサービスの統合により、透過的かつ効果的なユーザー体験の提供を目指したものであるという。B&Nはもともと教科書、大学に強く、古書を含めて強力な販売網を持っているが、E-Bookではアマゾンに圧されている。ピアソンは規模的には世界最大級で独自流通も強力だが、教育出版としてはかなりIT系に偏っている。おそらく、相互補完的な関係を強化することでアマゾンに対抗していく戦略をとるものと見られる。

さて期待外れに終わった年末商戦について、B&Nは次のように述べている。感謝祭後のシーズン開始時点では好調で、Nookデバイス販売も前年比2倍だったが、2013会計年度前半のNook事業の売上は3億5,200万ドル(約300億円)という。詳細については1月3日の決算発表で明らかにされるという。おそらくE-Book市場が急成長から安定成長に移行する中で、利益が得られないままにアマゾンその他との消耗戦を強いられていると思われる。  (鎌田、01/02/2013)

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