テキサス州でフルデジタル図書館構想

Gizmodoやテキサスの地元メディアが伝えるところによれば、米国テキサス州サンアントニオを含むベア郡(Bexar County)の図書館が、米国初のフルデジタル公共図書館として今秋のオープンを目指して計画を進めている。ベア郡では "BiblioTech"と呼ばれるシステムを使って、僻地を含む数ヵ所の「本なし図書館」を開設する計画で、予算措置を進めている。デバイスを持ち込むタイプではなく、コンテンツ付で最大2週間の貸出しを行うもの。検索用のコンピュータはあるが、もちろん図書カードはない。

この計画を推進しているベア郡の首長 (County Judge)ネルソン・ウォルフ氏は、千点以上の初版本を私蔵するなど、名うての愛書家だが、実用性という点では紙の本が終わりつつあると感じている。スティーブ・ジョブズの伝記にも感銘を受けたようで、市立図書館の拡張として計画された郡の図書館整備では、最初から紙の本を常備しないことを決めた。「これはデジタル時代への適応ではなく、デジタル時代のために計画された」とウォルフ判事は語っている。デジタル・オンリー図書館はいまだかつて誰もやったことがないことを確認したという。ロマンチストである。San Antonio Expressによれば、カリフォルニア州ニューポート・ビーチの図書館が2011年に計画して放棄したことがあるという。テキサス大学サンアントニオ校(UTSA)は2010年からデジタル・オンリー図書館を提供している。

構想では、2週間まで読むことが出来るデバイスごと貸出す計画で、25万点のタイトルを整備する。まずショッピング・センターなどで貸出・運用の実験をしてから、過疎地まで展開したいとしている。しかしデバイスやシステムの発注先など詳細は未定。とくに書店もなく住民の要望が強い南部がターゲットだ。デバイスが戻ってこない可能性に対して、判事は「名前も住所も分かっているし、2週間経てば使えなくなる」と一蹴する。テキサスの郡判事(Judge)は司法権限を持っている。確かに数十ドルの本が返却されない可能性よりは低いだろう。デジタル・セカンドからデジタル・ファーストを通り越してデジタル・オンリーとは大胆だが、成功すれば過疎地での有効性が実証されたことになり、注目される。 (01/16/2013)

Print Friendly, PDF & Email
Send to Kindle

Share