米国で急進展する子供のデジタル読書

児童・青少年向け出版で知られる米国のスカラスティック社は1月18日、2006年以来隔年で行っている「児童・家庭読書調査レポート」(“Kids & Family Reading Report”)第4版を公表した。この市場は昨年E-Bookが大ブレイクして今年最も注目されている。デバイスの普及によってデジタル読書が増加していると考えるのは当然だが、実際にはデバイス以外のデジタル読書環境の充実がより大きな意味を持っているようだ。また紙の本への愛着は明らかに低下している。

調査会社のハリソン・グループが実施したこの調査は、全文が100頁を超えるしっかりしたもの。それによれば、6-17歳の児童・少年少女の46%はE-Bookを読んだことがあり、前回(2010年)の25%から20ポイントあまり上昇している。男女別では女子(47%)が3ポイントほど高いが、男子の上昇率は高く、差は縮小している。3歳刻みでみた年齢層別の差は意外なほど小さく、5ポイントの中に納まっている。年齢とデジタル読書との比例関係は弱い。デバイスで見ると、前回の3%から21%へ急上昇したのがタブレットだが、E-Readerも19%ある。ノートPC(22%)とデスクトップPC(19%)も健在であり、iPodやPSPなど携帯デバイス(16%)も使われていることから、デジタル読書の拡大が単純に読書デバイスの普及によるものではないことを示している。E-BookはまずE-Reader/タブレットという短絡は禁物だ。むしろ品揃えと価格のほうが重要と見たほうがいい。

デジタル読書のほとんどは家庭で行われている。75%は家で読むと答えており、学校で読んだことがあるのは27%、図書館は13%と少ない。49%は、E-Bookに触れる機会が多ければもっと読むと答えているが、これは前回の33%から15ポイントあまりの上昇。年齢層が低いほど、娯楽的な本を読みたいという傾向がみられる。全体として前回より娯楽志向は下がっている(37%→34%)。しかし、両親は子供の読書が十分ではないと答えている(36%→49%)。E-Bookがあっても印刷本を読むと答えた子供は58%だったが、これは前回の66%から8ポイント落ちている。デジタル読書が増えるにつれ、印刷本へのニーズは減るというのは、大人より子供のほうが顕著なようだ。 (鎌田、01/16/2013)

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