アマゾンがフォード車向けアプリを提供

アマゾンは2月13日、フォードの2013年モデルのSYNC Applinkを装備した車種でAmazon Cloud Playerを利用するためのアプリをアマゾンのストアとGoogle Playにリリースしたと発表した。これによりモバイルアプリをドライバーの声で操作するFord SYNCサービスを使って、音楽やオーディオブックを聴くことが出来る。クラウド+マルチデバイスのサービスは、自動車にも及ぶことになったが、それは同時にオンラインストアとデバイスが淘汰されていくことを意味するだろう。

フォードとGMの異なるアプローチ

この半世紀、カーオーディオには、8トラック・プレイヤー、カセットテープ、CD/MDと、各世代に専用のプレイヤーがあり、独自の市場を形成していた。この環境に最適化した専用の技術が必要だったからだが、デジタルプレーヤーとスマートフォンの時代になると専用機の必要は減り続けたが、デバイスとそれがサポートするコンテンツ・ストアが重要になってきた。自動車の側から考えた場合に、焦点は自動車そのものをモバイル・デバイス化し、それを車の新しい付加価値とするか、それとも車輛とそのメーカーはリンクサービスの提供にとどめるのかという点だ。

フォードがマイクロソフトのWindows Embedded Automotiveを使って実用化したSYNCは、カーユーザー専用/汎用の各種サービスを利用可能としている。AppLinkはスマートフォン(BlackBerry、iPhone、Android)の一部のアプリを車(ハンドル、無線、音声)で操作できるようにしている。利用可能なのは、2013年型マスタング、フォーカス、Eシリーズ、C-MAXと2012年型エクスペディション、フュージョン、F-150、スーパーデューティ。もはや高級車ばかりではない。

フォードがモバイルデバイスとのインタフェースを提供するオープン指向なのに対して、GMは独自の開発プラットフォーム(SDK/API)を提供し、独自仕様のデバイスの組込みという伝統的なアプローチを継承する方向性を明確にしている。GM車は独自のデバイス市場を形成するということだ。しかし、年間生産台数が1,000万台規模というのは、メディアデバイスとしては小さいが、もちろんこれはGM車を半開放系の独自のユーザー体験を提供するメディア環境として維持するためである。消費者がどちらを選択するかが注目される。

今回のリリースでアマゾンが強くアピールしているのは、一度買った音声コンテンツがどこでも利用できるという点だ。E-Book市場との関連でいえば、Audibleのオーディオブックが大きな意味を持つ。自動車通勤が多い米国では、オーディオブックがよく使われているが、Cloud Playerによってさらに市場を広げることになろう。 (02/21/2013)

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