マクミラン“降伏”でE-Book価格はさらに下値を模索

大手5社の中で唯一、司法省との和解を受け入れていなかったマクミラン社は2月8日、和解手続を完了し、2009年に始まる「エージェンシー価格カルテル」事件は一件落着した(アップルのみは係争を継続)。和解条件は他の4社と同じで、小売による値引き販売を認め、最恵国待遇(MFN)条項を禁じるものだ。マクミランの新刊書の値引きはまだ観測されていないが、他社の例から見て、E-Bookの平均価格はさらに下がっていくものと思われる。

マクミランのスタージェントCEOは、「敗訴した場合の損失見積に言葉を失った。公表は出来ないが弊社の総資産を遥かに上回っていた」と和解を受け入れた理由を述べている。同社を含め、大手出版社がいかに独禁法や法務リスクに疎かったかを示している。紙の本で叶わなかった小売価格支配をE-Bookで勝ち取ろうとした紳士協定は、手痛い教訓となった。これが米国とEUの独禁当局の連係プレーで短期に終結したことを忘れてはならないだろう。これは日本にも直接間接に関係すると考えたほうがよい。デジタルコンテンツにおける出版社の価格統制は、ますます困難になったといえよう。

Digital Book Worldによれば、2月20日現在、直近の小売契約が認める10%を超える値引きの例はなく、マクミラン本の価格は動いていない。しかし、これを除いたE-Bookベストセラーの価格は、数週間続いた8ドル周辺から$7.56に落ち込んだ。$2.99のベストセラー (The Beautiful Creatures series, by Kami Garcia and Margaret Stohl)が平均を押し下げたもの。マクミラン本は現在2点だけがランクインしているが、これが30%下がると平均は$7.44となる。 (鎌田、02/21/2013)

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