デジタル+グローバルが進むピアソンの2012年決算

ピアソン社は2月25日に公表した年次報告書で、2012年の世界売上が5%増の61億ポンド(約8,500億円)、経常利益は1%増の9億3,600万ポンド (約1,300億円)となったことを明らかにした(→リリース)。厳しい先進国経済を反映して低調な業績ながら、デジタル・コンテンツは50%を占め、成長の原動力となっている。また、先進国市場の低迷を新興国市場の成長が補っており、こうしたデジタルとグローバルへの傾斜は、大手出版社に共通している。

紙の将来は「占い師にでも聞いて」とCEO

Financial Times部門の売上は4%増え、購読者も18%増だったが、定期購読者数では電子版 (316,000)が初めて印刷版 (286,000)を上回った。モバイルのトラフィックは全体の30%を占め、新規購読者の15%を導いている。読者プロファイルに合わせて記事をアレンジするFTSmartMatchサービスは好評。しかし順調な購読売上と比べて広告収入は低迷しており、他社と同様、有効な広告モデルは見つかっていないことを示している。ピアソンのファロンCEOは、FTグループの売却説をきっぱりと否定した(Guardian, 02/27)。

4万8,000人を雇用するピアソンは、厳しい経済環境と出版・情報サービスの構造転換に対応するための大規模なリストラを計画している。それによってデジタルとグローバルへの投資を進めるためだ。ペンギンとランダムハウスの合併は、そうした戦略的判断でなされたものだ。昨年のペンギンは1%増の10.5億ポンドとほぼ横ばい。デジタル比率は12%から17%に高まった。しかし米国だけをとってみれば20→30%と大幅に伸びている。印刷版が減ったことは確かだろう。

紙はあと10年で終わるのか、と聞かれたファロンCEOは、「印刷に死を宣告するのは時期尚早で、私には分からない。それを予測するにはかなりの遠視で占いの才能がないとね。」と答えている。少なくとも、ピアソン社としては完全にデジタル・シフトをとっているということだ。◆ (02/27/2013)

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