iPad miniで促進するタブレットの小型化

ディスプレイの専門情報ソース、Display Search (DS)は2月28日、タブレットの主流が10型から7型台へ、急速に小型化が進行していることを思わせるレポートを発表した。アップルは2013年のiPadについて、iPadが6、miniが4で合計1億台と見込んでいたが、miniの人気から見て、少なくともこの計画は狂ってきそうだ。DSの予想では、2013年のタブレット用パネル生産は2億5,400万枚で前年の1億6,000万枚からさらに急拡大する。(下の図は、昨年12月と今年1月の出荷枚数比較)。

DSの予想では、5~8.9型が136万枚、9-10型が118万枚とみており、これまで9.7型のiPadが築いてきた大判タブレット優位の時代は今年終わりを告げることになる。しかし、スマートフォンの表示が大型化した、5-6型の“ファブレット”の売れ行きによっては、7型台のパネルの数にも影響する。また、アップルが先導する形で進んできた表示の高解像化がどこまで進むかも不確定要因。iPad miniがUXGA (1920 × 1200, 250+ ppi)あるいはQXGA (2048 × 1536, 300+ ppi)にまで行くのかが鍵を握るだろう。このレベルになると供給の安定も懸念される。7型はこれまで「廉価版」の位置づけだったが、超高精細度でクアッドコア搭載の高級機がシェアを伸ばすことも考えられる。

周知のように、アップルはジョブズの死後、それまでのデザイン・ルールを破棄し、iPadは7.9型のminiとの複線化、iPhoneは16:9の4型とした。miniはローエンド・モデルとしてシェアの減少を抑制することに貢献したが、おそらくそれ以上にiPadの中心的なモデルとなってしまった。勢いはかなり急速で、アップルの予想を狂わせるほどのものだったと思われる。今年の市場は、タブレットの小型化とスマートフォンの大型化によって予想が難しいが、9.7~10.1の大判の割合は、2対3から最大で1対2の劣勢となることが考えられる。デザイナーの立場から見ると、アップル (iOS) 対非アップル (Android)のほかに、10型対7型の画面サイズ、ワイド対XGAのアスペクト比という、ますます面倒な問題に取組むことになるのだが、XGAのアップルかワイドのAndroidの両方に対応するなら、10型+XGAに最適化したデザインは避けるということになろう。これはジョブズの懸念していた事態だ。 (鎌田、03/05/2013)

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