米国のE-Book市場11月は減速しつつ拡大

slow_down米国出版社協会(AAP)が発表した2012年11月の出版統計によると、E-Bookの成長はスローダウンして前年同月比20.7%増にとどまったことが明らかになった。10月が同41%、9月が31%なので、減速が目立ってきた。昨年11月までの通算では前年比35%増の11.5億ドル、一般図書のデジタル比は20%あまりとなった。2011年までの3桁成長は過去のものとなったが、より重要なことは、E-Bookがすでに大きなベースを獲得して主要な商品となり、なお二桁台の成長を続けていることである。

質量を増している物体は、たとえ「減速」したとしても、エネルギーははるかに巨大になっているので注意が必要だ。とくに米国のE-Bookは、E-Readerが売れる12-1月に急カーブを描くのが特徴なので、11月の数字は中途半端なものとなる。減速は全体の平均に過ぎず、デジタル化が遅れていた児童書が141%となったことを示すように、爆発的急成長から安定的成長へと向かうステージのどこにあるかでバラつきが大きい。

Digital Book Worldのジェレミー・グリーンフィールド編集長は、出版社に対して以下の2点に注意すべきだと述べている (3/21)。

  • E-Bookは引き続き、非常に速いペースで伸びている。2013年と14年がどうなるかは、12-1月のホリデーシーズンの数字が得られてから見極めるべきだ。
  • 上記の数字は商業出版全体の傾向を示すものだが、恋愛小説などいくつかのジャンルではすでにデジタルが50%を超えたと言われている。デジタル化のスピードは分野によって異なり、出版社もそれに対応したプランが必要になる。

technology-adoption-cycleS-curveE-Book市場の成長を考える時には、上の普及曲線のほかに、右のようなS字曲線の複合ということを考えておくべきと思われる。個々のS字は、在来型 E-Bookと拡張型E-Bookとしてもよいし、小説や学術書といった個々の市場分野として考えてもよい。全体としての平均成長率はそうしたカーブの和 となる。(鎌田、03/26/2013)

 

 

Scroll Up