アマゾンがソーシャル・サイトGoodreadsを買収

goodreadsアマゾンは3月28日、会員数1,600万人のソーシャルリーディング・サイトを運営するGoodreads(サンフランシスコ)を買収した。金額は発表していないので、次の決算発表まで明らかにはならないが、安くはないだろうと推定される。注目は「バイ・ボタン」がKindleだけになるかどうかだが、当面は変更されない。サイトはそのまま残り、編集内容や推薦などに関して完全な独立性を保つとしている。アマゾンの買収目的は何か、この最大のソーシャル・リーディング・サイトはどこへ行くか。それを考える前にまず事実関係を。

会員1600万人の図書推薦エンジン

2007年にオーティス・チャンドラーCEOが創業したGoodreadsは、“図書推薦エンジン”とも言うべきもので、販売は行っていないものの、会員数1,600万人で3万ものブッククラブを擁し、月間のユニークビジターは3,700万人に達する。市場ではかなり重要な存在と見られており、同業他社が販売への進出へ動く中で動向が注目されていた。アマゾンの買収目的の一つが、動きを止めることであったことは間違いない。購入オプションを当面変更しないのは、少なくともユーザーの反発を恐れたためだろう。独立したSRサイトがアマゾン帝国に編入されたことを懸念するユーザーもいる。(右下=創業者のチャンドラー夫妻)

Amazon-popup「ユーザーにとって長期的にベストとなるようにする」とアマゾンのラス・グランディネッティ副社長は述べている。この場合の「ユーザー」はKindleのユーザーのことだ。買収の目的は「Goodreadsにコマース機能を持たせるためではなく、Kindleオーナーのユーザー体験(UX)を向上させていくため」とも語った。単純に言って、GoodreadsではKindle本しか買えないのならば、それ以外のユーザーは出ていく。会員がKindleユーザーに限定されればGoodreadsが果たしてきた「社会」性は損なわれるし、そもそもアマゾンはShelfariというSRサービスを持っている。

アマゾンとGoodreadsの相性はどうか。市場調査会社のCodex Groupが3月1日に行った調査では、Goodreadsユーザーのブランド選好では、Amazon.comを「一番好きなブランドの一つ」という回答は36%で、過去1週間以内に1回以上サイトを訪れたことがあるユーザーに限定すれば45%。30%はすでにKindleを保有し、デバイス保有が最も多いのはiPad、というのは一般的な読者調査のデータと大差ない。Codexのヒルディック-スミス社長は、結論的に言って悪くない組合せだ、と述べている(Publishers Weekly, 3/28)。アマゾンは2008年に買収したShelfariを保有し、またLibraryThingの少数株主でもあるが、これらを統合したりする計画はないようだ。 (鎌田、04/03/2013)

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