アマゾンがKindleマンガ制作ツールComic Creator

comicCreatorアマゾンが4月12日、Kindleストア向けのコミック/マンガ制作ツール Kindle Comic Creator (KC2)をリリースしていたことが明らかになった。著者/出版者は難解なHTML/CSSコードを知らなくても固定ページの見開きや対向関係のレイアウト指定、コマ割りや遷移の設定などの基本操作のほか、各種Kindleデバイスのプレビューが可能なツールで、日本語、中国語を含む7ヵ国語をサポートする。アップルのiBookAuthorと同じく無償。Windows版 (XP/7)とMac版 (OSX 10.6+)が提供されている。

EPUB3の固定ページが固まったことで、Kindleも固定ページへの対応を始めた。EPUB3の作業の成果をそのまま継承(あるいは拝借)したものと思われる。標準とは不即不離な関係を保つ、アマゾンのスタイルだ。KC2は、したがってmobiあるいはEPUBの既存ファイルを取り込んで編集・検証するか、画像ファイルをインポートして制作するかのどちらの方法にも対応する。画像は、jpg、pdf、tiff、png、ppmの各フォーマットが利用できる。

日本の「電子書籍問題」は、いわゆるフォーマット問題でほとんど2年余りを空費したと言っても過言ではない。幸いにしてEPUB3の多言語拡張に日本語組版ルールを盛り込むことが出来たことで、すべての問題は基本的に解決した(完全な解決は存在しない)。いかに日本語が「特殊」でも、仕様化さえできれば実装は可能で、自動変換ツールも出来る。ツールは(販売点数を増やしたい企業から)無償ツールで提供される。こうしたことは最初から自明だったのだが、技術に暗い人たちが問題を複雑にし、コストを途方もないものにした。大金を投じて開発された「中間フォーマット」を使っている人はいるだろうか。

結局、オンライン・プラットフォームが提供するこうした無料ツールを最も効果的に利用するのは、著作者=自主出版者になるかも知れない。無料のツールを使い、特別なトレーニングなしで使えるならば、作者が自分で使うのがいちばん効率いいからだ。これではカネがとれない、と思えばプロは使わない。「まだ使い物にならない」と言い続けるだろう。かつては先端的と考えられてきたIT系のサービスの多くが、逆に技術革新とビジネスモデルの変化についていけず、進化することなく緩慢な死を迎えているのと同じパターンだ。技術や技能へのコミットメントが強いほど、変化に抵抗するのは自然でもある。しかし、E-Bookの労働集約的サービスは、写真製販や写真のラボが消えたよりも短期間で消滅するだろう。幸か不幸か、E-Bookはまだ歴史も浅く、技術者もあまりいない。とくにマンガの制作はもともと作者主導で行われてきた。

開発者向けドキュメント

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