B&Nが自主出版のブランド化へNook Press (♥)

nook_pressB&NのNook Mediaは4月9日、FastPencil の協力を得て自主出版サービスの PubIt! を強化するとともに、これをNOOK Pressブランドと改称したことを発表した。名称変更が示すことは、すでに自主出版物がE-Bookの売上の25%を占めるエコシステムの柱になったということだ。NOOK Pressでは原稿から配信、マーケティング、販売管理までの環境が使いやすく、強化された。著者の獲得に向けて、機能やサービスの競争が激化している。[全文=会員]

売上の25%が自主出版タイトル

2年半前にスタートしたPubIt! は、Nookプラットフォームにとっても不可欠なサービスとなっており、アマゾン(KDP)、Kobo (Writing Life)とともに有効に機能している。四半期ベースで、著者が20%、タイトル数で24%の増加をみており、ランク入りした著者も輩出するなど、貢献度は大きい。顧客の30%が自主出版タイトルを購入し、毎月の売上の25%しているというから、もはや「虚栄出版」ではなくエコシステムの一つの柱に成長したと言えるだろう。

nookpress3しかし、ライターは使いやすい環境、売りやすい環境を選び、アマゾンは高い印税で「独占」に誘導するので競争は激しい。自主出版サポートは原稿の編集からアップロード、マーケティング、販売管理までカバーし、より高い機能を使いやすい環境で提供することが求められている。専門サービスのFastPencilと提携することで大きく拡張された。NOOK Press (NP)は、Nookブランドとして「新世代」の機能を提供することを意図している。機能的には以下をサポートする。

  • EPUBファイルの作成と配信を2、3日で可能とするワンストップWebサービス
  • ライブ・チャット機能
  • 各種機能を体験してもらうための、サポート付「お試し」モード(“Quick Start”)
  • 友人、編集者、共著者がオンラインで共同作業を行うためのコラボ・ツール
  • 販売管理レポートのダッシュボード(日別、月別集計
  • NOOK Press NOOK Channelを通じた、ソーシャル・メディア等利用の販促支援

著者印税は、$2.99以下と$10以上が40%、$2.99~$9.99が65%。前者はアマゾンより5%高く、後者は5%低いがファイルの容量による超過料金はない。リリースで「著者が付けた価格($0.99~$199.99の範囲)に基づいて、隠れた条件や料金なしで支払われます」とわざわざ断っているのは、著者から搾取するタイプのサービスが少なくないためだ。

nook-press2NPについてのレビューはまだ多くないが、さっそくTereReadThe Digital Readerに載っている。著者にとっては、販売レポートが見やすくなったことが一番うれしいようだ。編集機能では、MS Wordファイルをアップロードして基本的な .epub ファイルを生成できるようになった。TereReadがテストした結果では、レイアウトはよいが、チャプター・ブレイクがうまく読めていないという。目次は変換されたかに見えたが、文書名を章と混同していた。こうしたトラブルはどんな「変換ツール」でも最初はよく出会うものだ。徐々に改善されるだろう。

日本では「タイトル不足」や「書籍の電子化」が大袈裟に問題になっているが、ワープロのファイルを変換する「デジタル・ファースト」を志向すれば、出版社でさえ新刊の電子化の問題はほとんどクリアされる。しかし、そもそも新刊を売る気がないのなら話は別だ。その場合、日本ではKindleやKoboなどを利用する自主出版者がE-Book市場をリードする存在となるだろう。

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