富士ゼロックスの“20世紀”型ドキュメント・アプリ

document富士ゼロックスは3月27日、モバイル環境での文書活用を支援するAndroidアプリ「モバイル統合アプリケーション for Android」を4月10日から販売開始すると発表した。1月のiOS版に続くもので、主として同社のクラウド・サービス Working Folderや、Web対応の統合ドキュメント管理システムDocuShareなどの基幹製品/サービスと連携し、タブレットやスマートフォンでのハンドリング(表示・編集・印刷・送信など基本操作)をサポートする。価格は5万円(5ライセンス)から。

企業内文書管理は企業出版とリンクしている

overview_01-400x427

本製品は単独でも使えるが、基本的には同社のWorking FolderやDocuShare、さらにDocuWorksの外延に連なるもので、そうでもないと(モバイルアプリに)1ライセンス1万円という価格は理解できない。基本的には20世紀の企業内ドキュメント管理の世界のものだ。ゼロックスのアプリ、ということで注目したのだが、期待外れだった。企業内文書管理は企業出版との連携が不可欠である。企業出版は、非商業出版ということで広い意味の自主出版に属する。カタログやマニュアルからIR文書、プレゼン資料など非常に幅があるが、重要なことは、社内のドキュメンテーションはすべて企業出版にリンクしていることである。企業出版には様々な費目で莫大なコストが費やされているが、出版社におけるのと同様、企業出版も印刷会社や広告代理店、制作プロダクションによって分担されており、コンテンツ管理が遅れている。このボトルネックはひどい。筆者は1980年代後半から数年間「企業電子出版」に取組んだが、状況はほとんど変わっていない。

21世紀に入り、企業電子出版は商業出版、自主出版と連動して動き始めた。20世紀型の大企業であるゼロックスやIBM、HPが、有り余る技術的、人的資源を持ちながら、Web主導の変化を恐れている状況は、大出版社と変わらない。いずれにしても「紙」のしがらみから抜け出せないのだ。

しかし、そろそろタイムリミットが来た。アマゾンはクラウド・サービスにおいて業界をリードする存在であり、大手ITと違って「守りのクラウド」ではなく「攻めのクラウド」を仕掛けているからだ。"Send to Kindle" や企業向けの図書/文書管理ソリューションは、廉価なタブレットとともに、企業ユーザーにとっては大きな魅力だろう。ゼロックスは20世紀のテクノロジー・リーダーだったが、21世紀を新しい機会とするには、Webシフトにするしかないだろう。  (鎌田、04/04/2013)

Scroll Up