PubMatchがオンライン版権市場へCCCと提携 (♥)

logo_PubMatch15ヵ国で活動している国際的な会員制著作権取引支援サービスのPubMatchは4月15日、著作権管理機構のCopyright Clearance Center (CCC)と提携し、CCCの RightsLink エンジンを使ったWebベースのサービスに進出することを明らかにした。RightsLinkの高度な検索機能やサンプル、カタログ提供などにより翻訳・販売権を中心としたオンラインでの直接取引、クレジット・カード決済、カスタマーサービスが可能になる。PubMatchでは、多くの著作物に市場機会を提供するとしている。[全文=会員]

マッチングとデータベース/決済を連結しWebベースで取引可能に

CopyrightClearanceCenterlogoPubMatchはPublishers WeeklyとCombined Book Exhibitの提携事業として2009年に始められた、SNSベースのマッチング・サービスで、日本からも20あまりの出版社がプロファイルを登録している。またCCC(本社マサチューセッツ州ダンヴァース)は、1978年に米国著作権法に基づいて生まれたグローバルな版権取引仲介業務を行う非営利の組織で、欧州に RightsDirect(アムステルダム)を有するほか、日本の一般社団法人 出版者著作権管理機構 (JCOPY)と提携関係にある。機能的に補完関係にあるPubMatch(マッチング)とCCC(データベース/決済)の両者の提携は、グローバルな著作権市場へ向けた前進を意味する。

Publishers Weeklyのジョージ・スロウィク社長は、「PubMatchとCCCの提携によって、著作権保有者はこれまで逃していた取引の場を得ることが出来ます。CCCの RightsLinkというエンジンを活用することで、出版関係者は版権の販売をアレンジし、審査する上での新しいリソースが利用できます。効率が高まることで、より多くの作品をより多くの言語で、国際的により広い市場に提供できるようになります。」と述べている。

伝統的に版権取引の場は、出版社間の相対取引を除けば、世界の大都市で年次開催される書籍見本市(ブックフェア)が中心で、利用するには相当なコストと時間をかける必要がある。これは翻訳出版のリスクを大きくし、知名度の高い著者/書籍に対象を限定してきた。また最大の輸出国である英国と消費国の米国を中心とする英語圏では多国籍の大手出版グループが活動しており、版権市場の役割はさほど大きくはなかった。

状況が変わったのは、やはりインターネットとデジタルによる国境を越えた情報の伝播力のためだ。まずラーションの『ミレニアム』がスウェーデン語コンテンツの市場性を証明し、さらにコリンズの『ハンガー・ゲームズ』、E.L.ジェームズの『フィフティ・シェイズ』が、自主出版デビューの無名作家の市場性を証明した。いずれも三部作で効率よくメガヒットとなったが、従来の版権市場がポテンシャルを十分に引き出していないことが明らかとなった。またE-BookとPoDを駆使するアマゾンは、地域販売権を無意味化するグローバルなサプライチェーンを提供している。出版社、著作権者、エージェントなどが参加できる、開放性が高いオンラインサービスの登場は必然と言える。  (鎌田、04/17/2013)

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