S&SがNYの図書館でE-Bookの貸出/販売を試行

New-York-Public-Library-300x218サイモン&シュスター社(S&S)は4月15日、ニューヨークの3つの公立図書館との間でE-Book貸出のパイロット・プログラムに関して合意したことを明らかにした(→リリース)。4月30日以降、S&Sはカタログにあるすべてのコンテンツを1年間、回数無制限で利用可能とするほか、1年を経た後は再購入できる。また図書館のWebサイトで小売も行う、という内容。S&Sはこれまで一切の貸出を認めてこなかったが、地元ニューヨーク限定ながら、現実的な方向に転じることになった。

NYPL参加するのは、ニューヨーク公立図書館(NYPL)とブルックリン図書館、クィーンズ図書館の3施設。図書館はS&Sの新刊・既刊カタログにあるすべてのE-Bookを購入し、1年間、1回1ユーザーに対して貸出すことが出来る。ハーパーコリンズが26回の制限付なのに対して回数は無制限。図書館のサイトを通じて販売も行い、手数料を収入とすることができる。図書館への販売価格、図書館の小売価格に関して、S&Sは「競争可能な価格」としているが、詳細は明らかにしていない。NYPLとブルックリンでは、貸出システムを3M、販売システムをBiblioCommonsが提供。クィーンズではベイカー&テイラーが一貫したソリューションを提供する。

この発表は、全国図書館週間 (National Library Week)に合わせて行われたが、全米図書館協会のサリバン会長は「すべてのフォーマットでの読書をサポートするという図書館の使命をS&Sが理解したことを嬉しく思う」とコメントし、NY以外にも拡大適用することを呼び掛けている。S&Nがこのパイロット・プログラムで期待しているのは、図書館利用者の利用パターンと販売実績の数字だ。それによって、出版のエコシステムにおける図書館の位置づけが正確に明らかになるだろう。

これまでハーパーコリンズは回数制限付(26回)で、ランダムハウスは割増価格で図書館への販売を行っており、マクミラン、アシェット、ペンギンの3社はパイロット・プログラムでの提供。大手出版社を除けば、ほとんどの出版社が販売している。 (鎌田、04/17/2013)

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