英国が法定納本をデジタル・コンテンツに拡大

British_Library17世紀初頭以来400年あまりの納本制度の伝統を持つ英国は、法定納本制度を改訂し、4月6日以降ブログなどのオンライン刊行物を含め、すべてのデジタル刊行物/公開情報に適用を拡大した。これにより、".uk"ドメインの英国出版物は(ペイウォールの内側にある有償刊行物も)、大英図書館をはじめとする6つの法定納本図書館に「納本」することが義務づけられることとなった。英国を活動の場とする個人が公開しているTwitterなどソーシャルメディアの記事も原則として対象とされる。

各国の納本制度は、国民の文化的活動の記録である出版物を特定の機関に集積・整理・保存し、書誌情報の総目録を作成し、アクセスを保証することを主な目的として行われている。英国では大英図書館のほか、スコットランドおよびウェールズの国立図書館、ダブリンのトリニティ・カレッジ図書館、オクスフォード大学ボドリアン図書館、ケンブリッジ大学図書館が法定納本図書館に指定されている。デジタルコンテンツを含むようにするのは当然と言える。Booksellerなどによると、通常の出版社は従来の方法で納本を行ってきたようなので、今回の改訂は、中心的にはE-Bookしか出版しない版元(商業出版社以外を含む)を想定したものだという。

問題はオンライン出版物だろう。Webサイトやブログだけでなく、Twitterなどの公開サイトも含まれるので、情報の記録の仕方ではプライバシーの問題も生じる(米国の例)。また、".uk"ドメインが必ずしも英国発のオンライン情報をカバーするものではないので、徹底しようとすると<費用対効果対価値>の問題も生ずる。ちなみに、本誌は国立国会図書館を通じて ISSNを登録し、「納本」されている。

デジタル・オンリーの出版物は一般に短命だ。Webと同じく、コストがかからないぶん、発行者にもこれを大事にしようという意識が薄いので、散逸する可能性が高いためだ。これまでにデンマーク、フィンランド、スウェーデン、ニュージーランドなどがデジタル納本を制度化している。  (鎌田、04/07.2013)

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