“Kindleクリスマス”は終わったか:12月のAAP統計

kindle_christmas米国出版社協会(AAP)から昨年12月の統計(StatShot=1,200社対象)が発表され、昨年の数字が揃った。E-Bookは2012年の総売上の23%を占め、2011年(17%%)、2008年(1%)と比べて一段と存在感を増したが、特に12月の伸び率はかなり鈍化した。事実上12月に始まった2013年シーズンで、さらに鈍化する兆候とも見られる。2008-9年から続いた“Kindleクリスマス”はもう終わりか。なお、E-Bookの貢献は大きく、全体では6.2%増と好調だった。

重力圏を離脱し巡航速度へ

2012年の内訳をみると、成年向けE-Bookは33%増で13億ドル。最も大きな成長を見せたのは児童書で120%の2億3,300万ドル。宗教書は20%増の5,700万ドルとやや期待を裏切った。3分野の合計では、41%増の15億4,000万ドル。12月だけを見れば、成年向けで前年同月比20%、『ハンガー・ゲームズ』のようなヒットがなかった児童書は21%のマイナス。

2008-9年シーズンに始まる“Kindleクリスマス”現象は、もともと本をギフトに贈る習慣のあった米国で、<専用リーダ→コンテンツ>の好循環が継続して起きたことによるものだが、リーダの普及がほぼ読書家層に達し、その次の層にもタブレットが普及したことで、デバイス駆動型成長循環が終わったものと考えても当然だろう。やはりKindle登場から丸5年を経た2012年は市場の転換点であった可能性が強い。5年もの「実験」の結果、いわゆるカニバリ効果は完全に否定された。自信たっぷりにこれを主張して日本の出版産業に5年の空白と大きな機会損失を与えた関係者は、事実を認めて反省したほうがいい

なおAAPの数字は、調査に協力した会員企業のレポートをもとにしており、市場のほぼ75%程度を捕捉しているものと考えられている。昨年から対象企業が90社から1,200社に拡大したことで、かつての数字も補正されている。また、金額は出版社の実収であって名目値ではないため、日本の数字との直接の比較はできない(ということはあまり知られていない)。E-Bookのデータをとり始めたのは2002年からだが、2008年に1%となるまではほとんどピクリとも動かなかった。 (鎌田、04/12/2013)

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