英国出版市場がデジタル134%急拡大で成長

growth英国の出版社協会(PA)は5月1日、2012年の統計年鑑を発表し、一般書のE-Book市場は134%増の2億1,600万ポンド(約327億円)、全体では66%増の4億1,100万ポンド(約400億円)に達したことを明らかにした。小説は149%増の1億7,200万ポンドとなった。E-Book比率は12%。印刷本の輸出比率は41%。米国から2年遅れでスタートした英国市場は米国の軌道を忠実に再現している。さらにあと1~2年は急成長を謳歌すると思われる。

米国の2年遅れで急成長する小説輸出大国

UKまず不況にもかかわらず、出版市場全体で4%伸びて33億ポンドと5,000億円近い(卸販売ベース)水準に達したことに注意すべきだろう。特に小説は21%増で6億7,400万ポンドと、じつに1,000億円を超えている。実質的に世界最大の「小説大国」と言えるだろう。印刷本が3%増の5億200万ポンドなので、成長の大部分はE-Bookの躍進によるもの。ノンフィクション系のE-Bookも95%伸びて4,200万ポンド。その他、児童書は4%増の2億、3,300万ポンド。

日本の「電書市場」は600億 (小売りベース)とか言われてきたが、“母体”であった携帯市場が縮小するなかで、国際的に比較可能なE-Bookの市場はカバーしきれていない。「5,000億円」といった根拠のない数字をぶち上げて束の間の幻想に酔う姿は、もはや笑いごとを通り越して物狂いにも似た悲惨なものがある。出版界だけは醒めていなければならないはずだが。

なお英国PAの出版統計は、Publishers Association Sales Monitor (PASM)のデータ(シェア78%を代表する270社の実績値)を基本に、PASM Digital Survey (捕捉率75%)、全2,240社を対象とした2005年のBenchmarking Exerciseのデータをバランスしたもの。 (05/02/2013)

Scroll Up