アシェットが図書館E-Book貸出を“解禁”

Hachette2アシェット・ブック・グループ(HBG)は5月1日、米国内の公共図書館に対する貸出用E-Bookの販売に関するプランを発表した。全米図書館協会(ALA)などとの長い交渉や実験を経たもので、ビッグシックスの他社と比べて多少前向き加減となっている。少なくとも全カタログをオープンにし、回数無制限にしたことで、これまでのような無条件の「貸出禁止」は解けた。しかし、「印刷本の3倍」という価格は図書館の負担が重すぎるので半歩前進に過ぎない。

新刊書は印刷版と同時に販売し、貸出し回数は無制限とするが、価格は「主な印刷本」の3倍(ランダムハウスと同じ)、発刊後1年を経たものは1.5倍とする、というもの。「主な印刷本」は複数存在するほうの高いほうを指し、概ねハードカバーを意味する。HBGの新刊で現在ベストセラー1位の、'The Hit' (David Baldacci)のHCは希望小売価格27.99ドル(店頭価格は16ドル台)なので、83.97ドル。図書館向けの印刷本の実売価格は28ドルよりは安いはずだが、どちらが採用されるのかは不明だ。予算が逼迫している図書館の現状からみて、1点80ドルでは現実的な価格とも思えない。発行後1年を経た後でも42ドル。

love_library2HBGのステートメントは図書館への敬意を表明しているが、今回の発表が、一般からの批判をかわしつつ、実質的には売る気がないのか、それともこれをスタートラインに実績をみながら段階的に値下げをしていくつもりなのかは判然としない。「HBGは毎年すべての顧客に対して価格モデルを見直しており、ALAなどの関係団体との交渉も継続し、読者、図書館、著作者の利益に配慮しつつ、著作に対する最大のアクセスを達成すべく努力してまいります。」とコメントしているが、この1年はこれでやってみる。ということだろう。 (05/02/2013)

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