司法省が「価格談合」のビフォー・アフターを公開

DoJ_pricingエージェンシー価格導入をめぐるアップルと大手5社の談合を摘発し、和解によって市場の風景を一変させた米国司法省(DOJ)は、アップルを被告とする裁判が開始されるのに先立ち、E-Bookの価格変動を詳細に記録したデータを含む103ページのドキュメントを公開した。アップルは「個別に契約を締結しただけで、談合などは幻」という主張を展開するものと見られるが、この「ジョブズの負の遺産」は意外と深くアップルを縛っている。

Plaintiff's Proposed Findings and COnclusions of Lawと題する法廷書面は、ニューヨークの南地区連邦地裁に提出されたもので、独禁法違反と判定した根拠を詳細に明らかにしている。価格チャートはカリフォルニア大学バークレー校のリチャード・ギルバート名誉教授(経済学)が作製した。下の図はアマゾンでの価格の動き(加重平均)だが、5社と「談合」に参加しなかったランダムハウスおよびその他の(非大手)出版社との差は歴然としている。当然ながらそれはB&Nの数字でも確認できる。平均的な価格上昇は、アマゾンで18.6%、B&Nで19.9%だった。
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約20%という数字は、そのまま消費者に対して与えた損害と認定され、これまでの和解における賠償金額の根拠となった。かなり説得力があるものだが、ペンギンがまだ和解に応じず、アップルは談合の不存在を主張して争っているが、こうした数字を前にしても和解を拒否するという経営判断は容易に理解しがたいものだ。アップル側は「出版社と個別には交渉したが談合はしていない」と主張するもようだが、法廷で認められる可能性は限りなく低いとみられる。マクミランは敗訴による懲罰的賠償の予想数字に怖気づいたが、有り余る現金を持つアップルは100億ドル以下のキャッシュは痛手ではないのかもしれない。しかし消費者から嫌われたら打撃は大きい。  (鎌田、05/16/2013)

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