新聞電子版購読料月15ドルは高すぎる!?

pricing2急速な普及により、タブレットはニュースメディアにとって最も重要なデバイスとして浮上しつつあるが、米国のタブレット・ユーザーの圧倒的多数(80%)が、月15ドルの購読料は高すぎると考えていることが、最近の調査で明らかになった。72%は少なくとも1紙以上のアプリをダウンロードしており、読む気、払う気は十分にあるようだから、残るは価格の問題ということになるが、それは同時に情報とサービスの再設計を意味する。80%が納得しない価格はほとんどの新聞にとっても意味をなさない。

調査を行ったのは、世界的なマーケティング・コンサルタント会社のサイモン・クチャー&パートナース(SK&P)で、価格戦略に関する調査・分析で定評がある。米国のタブレット・ユーザー1,000人を対象に、新聞購読行動について調べた調査では、消費者が期待する価格が、メディア側の想定とはかなりかけ離れていることが分かった。米国の日刊紙電子版の購読料では、NY Timesが月15ドル。経済金融専門紙の Financial Timesは50ドル。価格はかなりばらついているが、15ドルというのがひとつのラインだ。少なくとも現在の記事内容(ほぼ紙と同じ)と読者サービスを前提にする限り、15ドルは間違った価格設定ということになる。

14449-zdnetipadwsjappSK&Pのパートナー、アンドレ・ウェーバー氏は、NYTやWSJなどの全国紙は、アプリによってさらにグローバルな市場への展開が可能となり、さらに特定の属性を持った読者層に浸透することで生き残れるが、地域新聞は規模のメリットが活かせないので厳しい競争にさらされると指摘する。しかし、現在はまだデジタルの情報/サービスと読者層、価格との関係を最適化できておらず、経営は改善していない。電子版で利益を出しているのは、プロ向けのメディアであるFTくらいだろう。このレポートでは、15ドルを境界として「残りの80%」にアクセスできない状況への打開策として、スポーツやビジネス、テクノロジーといった紙面ごとにばら売り、リパッケージすることを提案している。

「紙面構成」に代表されるように、現在の「新聞」はあまりに紙に最適化されすぎている。紙から離れたデジタル・ファーストの無料ニュースメディアは、ハフ・ポストのようにあまりに“ファーストフード”でジャーナリズムを期待できない。やはり電子新聞は再設計されるしかない。 (鎌田、06/20/2013)

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