「“デジタル・ネイティブ”は本など読まない」神話

tabletlead_Pewデジタル世代はますます本を読まなくなる、まして紙の本は…。というのは、多くの人が抱く「実感」だが、きちんと証明されたことはない。米国の権威あるメディア・シンクタンク、ピュー・センターの新しいレポートは、30歳以下の世代の読書行動と図書館利用について調査し、それが偏見に近いことを立証している。回答は意外にも、紙もデジタルも等しく重視し、図書館を積極的に利用し、将来についても建設的な考えを持っている。アメリカの話だけでなければよいのだが。

インターネット時代のメディア接触行動について、定期的に厳密な調査を行っている Pew Internet & American Life Project のレポートは、消費者の行動にフォーカスしたもので、業界の数字と対照させることで市場の姿を立体的に観察することが出来る。今回の調査は、とくに16-29歳の世代を取り上げている。いわゆる「デジタル・ネイティブ」で、ガジェットとインターネット・サービスの中で成長し、生活しているイメージがある。しかし、過去1年間に印刷本を読んだのは75%に達し、上の世代の64%より10ポイントも高い。オンライン/オフラインでの図書館の活用にも積極的で、デジタルと紙の価値を等しく認め、図書館のデジタル・サービス拡大に期待している。なんと大人より「大人」ではないか。

テクノロジーの利用

米国の若い世代の図書館利用は67%で上の世代よりも5ポイント高いが、図書館内でコンピュータやインターネットを使う者が多い(38%)。それは必ずしも読書と関係しない。また、半数近くが図書館のWebサイトを訪れた。デバイスの保有率は、スマートフォンが65%、タブレットが34%、E-Readerは28%となっている(18-29歳=昨年11月の数字)。専用リーダもかなり使われており、やはり読書用端末としてはタブレットよりも重要であることを示している。

読書習慣

E-Bookを読み始めた時期では、2011年からというのが19%、2012年からが25%で、これらは上の世代より高率である。しかし、それは紙離れにはつながらず、過去1年間に1冊以上紙の本を読んだ者の75%は、紙とデジタルの割合は変わっていないとしている。16-7歳の85%は紙の本を読んだと回答しており、紙への評価が高いことを示している。出版社は安心していい。

図書館の利用、役割、将来イメージ

図書館を重視する米国の学校教育の成果か、若い世代は図書館への愛着が強く、80%が司書の存在は「非常に重要」と回答している。また無料データベースへのアクセスやコンピュータやインターネットへのアクセスも同様に重視している(75-76%)。また、貸出しだけではなく、静かな空間も評価され、重視されている。期待される機能については下の図を参照。(06/27/2013)

01-services-and-programs

Scroll Up