ふつうの市場への離陸の時を迎えた日本のE-Book

115962567_7a166843d4_zインターネットメディア総合研究所は6月27日、『電子書籍ビジネス調査報告書2013』を7月18日に発行すると発表し、電子書籍に関する昨年の市場規模の推計と5年間の予測を公表した。2012年は15.9%増の730億円。ガラケーから新しいプラットフォームへの移行がスムーズに進み、わずかに逆転したことで、ようやくグローバルな環境での市場の発展が展望されるようになった。後者の成長は228.6%の368億円で、数字の上からは「離陸」を思わせるものがある。

同研究所では、スマートフォンやタブレット等のアプリ経由で購入する電子書籍、電子書籍配信サービス、マルチデバイスで閲覧が可能な電子書籍配信サービス、ゲーム機向け電子書籍配信サービス等を「新たなプラットフォーム向け電子書籍市場」としている。国際的に比較可能なのはこちらになる。今年一気に300億円を超えたことは、デバイスや配信サービス側の状況が劇的に変わったことを反映したものと言える。ただし数字は日本国内のユーザーにおける購入金額(小売販売額)で、出版社の売上ではない。本来「コンテンツ」市場は出版社の売上でなければならないはずだが(業界の慣例とはいえ)まだそうならないのは残念だ。

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また電子書籍と電子雑誌を合わせたものを「電子出版市場」としている。ただし、2012年で39億円と低迷しており、急成長に転ずるとは予想していない。雑誌の場合は広告を中心としたビジネスモデルの問題が大きいので、現在のような「レプリカ」スタイルのものが普及することはあり得ない。紙の衰退が速いので、2年以内に電子雑誌広告のスタイルが確立しないと、緩やかな発展を望めるわけでもない。

レポートは13年度以降はリニアな成長を予測しているのだが、経験則から言ってこれはあり得ない。11-12年で3倍以上の成長を見たとはいえ、タイトルの整備や価格を含めた、E-Bookに最適化したマーケティングの確立が伴っていないことを考えると、伸びしろは豊富にある。1年足らずで(新プラットフォーム向けだけで)1,000億円台の大台乗せを達成するのも非現実的ではないと考えている。(鎌田、07/04/2013)

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