高い教科書が違法コピーと市場縮小の悪循環を生む

bisg_students_cover_june_2013final_medium米国書籍産業のシンクタンク Book Industry Study Group (BISG)は7月16日、大学教科書市場に関する調査レポートを発表し、違法サイトからのダウンロードを行った学生が(調査を開始した2010年の20%から)一貫して増加し、34%に達したことを明らかにした。同時期に複写やスキャンなどでテキストの一部を入手した学生も21%から31%になった。大学は電子教科書の採用を減らしており、この市場の見通しを暗いものとしている。しかし、問題の本質は高すぎる教科書とそれを前提とした教育/出版の旧いビジネスモデルにある。

'Student Attitudes Toward Content in Higher Education' と題したレポートは、バウカー社が協力してまとめられた。(米国の)大学で単位を取るには本を読まねば(≒買わねば)ならず、学生の経済的負担は相当なものとなる。平均的な価格は、紙で1冊110ドル、デジタルで58ドルである。昨年は各$118と$65だったので多少は下落しているが、授業に対して適正と考える額が$74と$40なので、かなり割高感がある。他方で、大学は電子版の採用を減らしている(2012年2月の30%から2013年6月の16%)。違法コピーは当然の結果と言える。

学生による教科書の違法コピー問題は、教科書の価格上昇と学生の経済状態の悪化を写すものだ。1978年から2012年の34年間に、大学教科書は812%と高騰した。消費者物価指数は250%だから、物価水準の3倍だ。ただでさえ中産階級が没落しているというのに、上がり続ける教科書コストをユーザーは負担しきれない。大学教科書の高騰は、公的補助の削減の結果だが、根本的な対策を打つべき時期に来ている。(鎌田、07/18/2013)

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