タブレット市場地図の変化:iPad「絶対多数」の終わり

sunset今年第2四半期のタブレット世界販売レポートが8月5日にIDCから発表され、業界地図が大きく変わりつつあることを告げた。鈍化しながらも全体として成長が続いている中で、アップルのシェアが大きく低下し、30%台となったのである。毎年2Qに登場するiPadの新製品が、今年から秋以降に変更したことが大きいが、出荷台数におけるAndroidの優位は(スマートフォンに続いて)このまま定着する可能性が高い。iPadがタブレットを意味した時代は終わった。

OS中心のビジネスモデルは続かない

idc_2Q13_tabletsたしかに新製品の効果は大きいが、高解像パネルとCPUだけが目玉では、価格性能比を訴求する他社との差別化は困難だ。低価格にすればシェアは回復するが、株主が期待する利益率は出せない。「シェアも利益率も」という夢のような(例外的)状況は終わったのだ。おそらく、アップルはiPadで利益率を、miniでシェアをという常識的な多角化を志向し、同時にストアの収益性を高めようとすると思われるが、OS専用のメディアストアというビジネスモデルがもともと脆いものである上に、E-Book独禁法訴訟第一審で勝訴した米国司法省が、iTunesのビジネスモデル自体を解体する意思を明確にしているのは大きなリスクである。

これについては別に取上げるが、かつてデスクトップ/ブラウザを通じたWeb市場の支配というマイクロソフトの戦略が、これも行政の介入によって破綻したことを想起させる。マイクロソフトは結局、OSからクラウドにプラットフォームを移行できずに後退を続けているが、アップルも同じ轍を踏む可能性は強いと思われる。

これまでタブレットは、メディア・タブレットと汎用モバイルコンピュータという2つの用途で伸びてきたが、コンテンツ/アプリ市場と関係が深いのは前者であり、前者ではまだiPadの優位は圧倒的だ。後者はコンテンツ市場をほとんど潤していないことが知られている。OS中心のビジネスモデルのサステナビリティに疑問が生じた現在、iOSをコアとしつつも、iTunesをAndroidにも拡大する方向性は不可欠であり、さらにクラウド時代のユーザー体験を実現する新しい環境で技術的リーダーシップを発揮することが期待されていると思われる。(鎌田、08/08/2013)

idc_2Q13_tablets_trend

Scroll Up