アマゾン対抗へKoboがデバイスで先手

Kobo_AuraKoboは8月27日、秋冬のハイシーズンを前に6.7型E-Reader (Aura) と7型/10型タブレット Arc の新製品をそれぞれニューヨークで発表。同時に子供向け書店の立上げとWebアグリゲーターの Pocketとの提携を明らかにした。「読書を生活の中心に置いている人々」を獲得するための戦いにおいてKobo の武器となるものというタンブリン副社長のコメントには、Nookの凋落の間隙に乗じてシェア獲得を狙う姿勢が見て取れる。

「読書を生活の中心に置いている人々」へ

Kobo_Logoタブレットを含めて「読書体験」で一貫させたKoboの開発コンセプトは妥当なもので、アマゾンに先手を打ったタイミングも悪くない。Nookのシェア低下はKoboに大きなチャンスを与えており、Nookから離れつつある“コア読書家層”を獲得するタイミングはめったにないからだ。商業出版市場は、本をめったに読まない人から見れば「不要不急」の商品を扱う、かなり癖の強い市場で、年間20冊以上を購入する(ほぼつねに何かしら読んでいる)読書家層に支えられている。本の通販を15年間以上やっているアマゾンや、全米最大の書店チェーンを背景にしたNookの優位は、この最上級顧客層を取り込んだために、簡単には揺るがないようになっていた。しかし、この固い地盤が揺らいでいる。Nookが今年中に反転攻勢をかけるのは困難で、とくにフルラインのデバイスを揃えられない可能性が強い。

Kobo-Arc-10HD-high_2654791bAura は、E-Ink前面発光では最高の 212DPI・16階調を表示する、5点マルチタッチスクリーンを採用。CPUも Freescale i.MX507 1 GHZと強力で、1GBのRAMとMicro SDの内蔵メモリが4GB(拡張可能)。電池寿命は公称2ヵ月と十分。しかし、スペックの向上以上に Auraが最終的に目ざしたのは、ハイレベルの読者層を満足させる読書体験の向上で、UIや辞書における多言語サポート(英仏独西蘭伊伯葡および日)も改善された。目立った新機能として、ハイライトした単語から関連書籍、著者、論文その他を探索する "Beyond the Book" がある。ユーザーはフォントをダウンロードあるいは購入し、さらにTypeGenuis を使って表示を微調整することができる。また、書籍のほかに、雑誌、新聞、コミックなどにアクセス可能になる。

読書中心はタブレットにも徹底

Kobo-580x395タブレットは3機種。Kobo Arc 7は 昨年リリースされた Arc Androidタブレットの後継となるもので、150ドルの価格ラインを維持しつつ、表示をスムーズにするため、スクリーン解像度を落とし(1024×600)、プロセッサをMTK 8125 Quad-Core 1.2 GHzとした。内蔵メモリは8MBだがMicroSDで32GBまで拡張可能。先代機が力不足だったので、スクリーンをスケールダウンしたことは好感されている。KoboのArc シリーズは基本的にAndroid  4.2.2.を搭載した標準的タブレットであり、Google Play その他のアプリを利用できる。Kobo タブレットは、雑誌やグラフィック・ノベル、拡張E-Bookなどのカラー系コンテンツと一般の書籍を併用するユーザーに向けたものと思われるが、Reading Mode を設定しておけば、ポップアップなどで読書の邪魔をしないようにできるなど、Auraと同じく読書家向けの配慮を見せている。

Kobo Arc 7 HDは、323PPI (1920×1200) 1080pの動画をそのまま再生する。CPUは Nvidia Tegra 3 (1.7GHz)で1GBのRAM、内部記憶は16/32GBの可変だが拡張は不可。今回からMicro HDMIポートが付いた。1.3 MPカメラをフロントに装備。価格は、ベースモデルから100ドル高い米国およびカナダで250ドル。

Kobo Arc 10 HDは、同社初の10インチ・タブレット。2560×1600の画面解像度はiPadの第4世代機をしのぐ。Nvidia Tegra 4 (1.8 GHz)でRAMは2GB、内部記憶は16GB。価格は米国およびカナダで400ドル。(08/29/2013)

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