小売データ基盤をニールセン社に一元化

出版ビジネスのグローバル化は、国境を越えたマーケットデータ基盤の拡張を伴う。ニールセン社は、R.R.バウカーから2つの部門を買収することで合意したと発表した。これで同社は米国と英国におけるE-Book販売に関する多角的データ収集の能力を得たことになるが、同時に英語圏の紙とデジタルのデータ基盤は、書店向け(ニールセン)と出版社向け(バウカー)にそれぞれ分かれることになった。

bowkerPublishers Weekly (8/21) によると、買収の対象となるのは、バウカーの Business Intelligence と Commerce Solutions の2部門で、ニールセンのBookData、BookNet、Registration Agencies、BookScanを含む書籍データ部門に統合することにより、英語書籍市場の書店に対して、書籍の探索、発注サービスを提供することができるようになる。バウカー社はISBN管理や Syndetic、Summon などのサービスを通じて、出版社/出版者向けのデータサービスに特化するとしている。バウカー社の親会社 ProQuest(ミシガン州アナーバー)のカート・サンフォードCEOは、この統合により、それぞれのクライアントに対するワークフローが「適正化」されるとコメントしている。

ニールセンが取得した Business Intelligence 部門は、PubTrack Digital、PubTrack Christian、PubTrack Higher-Ed.、Market Research Books & Consumers、Global Ebook Monitorのサービスを含み、またCommerce Solutions は PubEasy、Pubnet、PacStreamで構成される。バウカーが小売向けサービスを売却したことは、E-Book市場が成長し、出版がデジタル主導でグローバル化したことを反映したものだ。University Microfilms を起源とするProQuest は一般の民間企業とは異なり、米国の科学技術情報基盤としての性格を持つ(インテリジェンス機関との関係も密接であることが想像される)。グローバルなメディア・データサービスを代表するニールセンに小売系データを「移管」したのも、政策的な判断が絡んでいる。

これで小売ビジネスにおけるニールセンの力は圧倒的なものとなるだろう。小売向けのE-Book流通サービスも行うようだが、英語圏以外にも対象を広げていくと思われる。◆  (08/27/2013)

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