出版社も統合マーケティングの時代

integrate米国の大手出版社、サイモン&シュスターが7月31日、マルチメディア・マーケティングを担当する新しいポストにゲイル・ゴンザレス氏(女性)を任命したことを発表した。放送、AVプログラム、オンラインやオフラインのイベントなどを複合した新しい手法を開発して傘下のブランドにおける販促活動を支援する。大手出版社はB2Cマーケティングを強化しており、SNSやWebアナリティクスを駆使しているが、それらの統合・調整機能が必要になったことを反映しているものと思われる。

Simon&Shuster新しいポストは Director of Integrated Marketing(統合マーケティング部長)と呼ばれ、マーケティング担当のリズ・パール上級副社長に直属する。「非伝統的な手法を使って著者、ブランド、コンテンツを消費者に訴求する」のがミッションで、非伝統的な手法とは、放送、音声ストリーム、ビデオプログラム、テーマ別の著者イベント、Webライブイベント・シリーズなどが想定されている。これらを組合せて、作家と読者を結びつけ、企業としてのブランド力向上と売上増加を図る方法を開発していく。たしかに傘下の各出版グループ(ブランド)、販売部門、デジタルグループ、それに外部のパートナーを連携させつつマルチメディア・マーケティングを進めていくというのは、マーケティングSVPの手には余りそうだ。

「伝統的」に、出版社にとって、マーケティングの相手は書店とメディアと決まっていた(コストの高いマス・マーケティングは例外的)。デジタルはAVやイベントなどのコストを劇的に下げ、SNSと組合せることで、ほとんど何でもできる(大手出版社にとってはできなければならない)状態になった。ゴンザレス部長は、自己啓発本などで知られる中堅出版社のヘイハウス (Hay House) でマーケティングを担当し、インターネットラジオ放送の Hay House Radio をはじめ、数々のマーケティング・プログラムを開発し成功させた実績を持つ。大きなステージでの活躍が期待される。  (鎌田、08/01/2013)

  • Integrated Marketing Communication (IMC)は、新旧様々なメディアを融合することで、マーケティング・コミュニケーションの効果を最大化するための方法論。
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