米国ベストセラーの平均価格が5ドル台に

low_price米国のE-Bookベストセラーの価格動向をウォッチしている Digital Book Worldは、先週のトップ25の平均価格が一気に1ドル近く低下し、過去最低の 5.41ドルとなったことを明らかにした (DBW, 9/11)。19点を大手5社が占める中での結果であり、最近のトレンドと照合してみると、年内に5ドルの線を割る可能性も出てきた。6月には一瞬9ドル近くにまで急上昇したが、定着しなかったことになる。

DBW2第1位には、11.76ドルのリー・チャイルドの新作が11.76ドルに入ったが、10ドル以上なのは、ほかにダン・ブラウン、ギリアン・フリン、ハレド・ホセイニーの4点。いずれもペンギン・ランダムハウス(PRH) で$10.99。しかし、PRHのものが11ドルで統一されているわけではなく、2ドルから8ドルまで多様だ。それにしても合併したPRHは強く、9点がランクインしている。アシェットは5点。サイモン&シュスターは3点、ハーパーは2点、マクミランは1点で自主出版は2点。

大手を中心に扱いの半数余りを占めていた委託=定価販売制が崩壊して以来、E-Bookの価格は小売店が自由に設定するようになっている。「売れる本は安く、売れない本は高く」そして「数量よりは売上金額の最大値を指向」というのが値付けの基本だが、電気ショックのような価格刺激策はしばしば使われる。11ドルの小売価格は、卸値が10-12ドル近辺であることを意味している。PRHが卸価格をどのように設定しているかは興味深い。

いずれにせよ、書店がベストセラーで利益を出すことは難しい。書店が目指すことは、ベストセラーを購入する消費者に別の本を(多く、継続的に)買ってもらうようにすることだ。出版社は(小売価格に関係なく)、卸価格で売上を受け取ることが出来るが、卸価格は販売実績に関連して交渉の対象になるので、特定企業(=アマゾン)に依存すると安閑としているわけにはいかない。やはりベストセラー以外のタイトルを本気で売るためのマーケティングが重要だ。(鎌田、09/12/2013)

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